Google検索で上位表示を目指すなら、ページエクスペリエンスの理解は必須です。
この記事では、ページエクスペリエンスとは何か、その重要性やGoogle検索順位への影響をわかりやすく解説します。
この記事を読めば、ユーザーにとって快適なWebサイトを実現し、検索順位向上に繋げるための具体的な方法がわかります。
ページエクスペリエンスとは
ページエクスペリエンスとは、ユーザーがWebサイトを訪問した際に、快適にコンテンツを閲覧し、操作できるかどうかを表す指標です。
Googleはユーザーにとって質の高いWebサイトを提供することを重視しており、ページエクスペリエンスを検索順位決定の要素としています。快適なユーザー体験を提供するWebサイトは、ユーザーの満足度を高め、コンバージョン率(CVR)の向上にも繋がります。
ページエクスペリエンスの概要
ページエクスペリエンスは、Webサイトの読み込み速度やインタラクティブ性、視覚的な安定性、モバイルフレンドリー、安全性など、複数の要素から評価されます。
これらの要素が優れているWebサイトは、ユーザーにとって使いやすく、快適なブラウジングエクスペリエンス(※)を提供できると考えられています。
Googleは、これらの要素を総合的に評価し、ページエクスペリエンスのスコアを算出しています。
(※)ブラウジングエクスペリエンス:Webブラウザを利用する際のユーザーの体験全般のこと
ページエクスペリエンスの重要性
優れたページエクスペリエンスは、以下のようなメリットをもたらします。
- 検索順位の向上Googleは、ページエクスペリエンスを検索順位の決定要因として使用しています。優れたページエクスペリエンスを持つWebサイトは、検索結果で上位に表示される可能性が高くなります。
- ユーザーエンゲージメントの向上快適なWebサイトは、ユーザーの滞在時間を延ばし、PV数を増加させます。その結果、Webサイトの価値を高め、CVRの向上に繋がります。
- 直帰率の低下ページエクスペリエンスが低いWebサイトは、ユーザーがすぐに離脱してしまう可能性があります。一方で、優れたページエクスペリエンスは直帰率を低下させ、ユーザーをWebサイトに留める効果があります。
- ブランドイメージの向上快適で使いやすいWebサイトは、ブランドイメージの向上に繋がります。ユーザーは質の高いWebサイトを提供する企業に対して、信頼感や好印象を抱きます。
ページエクスペリエンスは、Webサイトの運営において非常に重要な要素になるのです。
メリット | 説明 |
検索順位の向上 | Google検索で上位表示されやすくなる |
ユーザーエンゲージメントの向上 | ユーザーの滞在時間やページビュー数の増加 |
直帰率の低下 | ユーザーがサイトからすぐに離脱する割合の減少 |
ブランドイメージの向上 | ユーザーからの信頼感や好印象の獲得 |
ページエクスペリエンスを構成する要素
ページエクスペリエンスは、いくつかの重要な要素によって構成されています。以下で1つずつ紹介します。
Core Web Vitals
Core Web Vitalsは、Webサイトの速度、応答性、視覚的な安定性を測定する3つの指標です。ユーザーがページをどのように体験するかに直接影響を与えるため、ページエクスペリエンスの中核を成しています。
LCP(Largest Contentful Paint)
LCPは、ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間を測定します。ユーザーがページのコンテンツを認識し始めるまでの時間を示すため、重要な指標です。
LCPの目標値は2.5秒以内です。これを超えると、ユーザーはページの読み込みが遅いという印象を受けやすくなります。
FID (First Input Delay)
FIDは、ユーザーが初めてページを操作してからブラウザがその操作に応答するまでの時間を測定します。ボタンのクリックやリンクのタップなど、ユーザーがページを操作した際の応答性を示す指標です。
FIDの目標値は100ミリ秒(0.1秒)以内です。これを超えると、ユーザーはページが反応していないと感じ、不満を抱く可能性があります。
CLS(Cumulative Layout Shift)
CLSは、ページの表示中に予期せぬレイアウトのずれが発生する頻度を測定します。テキストの読み込み中に画像が突然挿入され、テキストがずれてしまうといった現象を数値化します。
CLSの目標値は0.1以下です。これを超えるとユーザーはコンテンツを読みづらく、操作ミスを起こしやすくなります。
モバイルフレンドリー
モバイルフレンドリーは、スマートフォンなどのモバイル端末で快適に閲覧できるかどうかを示す指標です。モバイル端末からのアクセスが増加している現代において、モバイルフレンドリーは非常に重要です。
レスポンシブデザインを採用することで、様々な画面サイズに適切に対応できます。
セーフブラウジング
セーフブラウジングは、Webサイトがマルウェアやフィッシング詐欺などのセキュリティ上の脅威を含んでいないことを確認する指標です。ユーザーの安全を守るために不可欠な要素です。
HTTPS
HTTPSは、Webサイトとユーザー間の通信を暗号化するセキュリティプロトコルです。ユーザーの個人情報や機密情報を保護するために重要です。すべてのWebサイトでHTTPSを使用することが推奨されています。
インタースティシャル広告の制限
インタースティシャル広告は、コンテンツ全体を覆うように表示される広告です。ユーザーエクスペリエンスを阻害する可能性があるため、適切な使用方法が求められます。
コンテンツを閲覧する前に表示される大きなポップアップ広告などは、ユーザーの不満につながる可能性があることを考慮し、適切な表示方法を検討するようにしましょう。
これらの要素を最適化することで、ユーザーにとって快適で質の高いWebサイトを提供することができ、ページエクスペリエンスの向上に繋がるでしょう。
ページエクスペリエンスとGoogle検索順位の関係
優れたページエクスペリエンスはユーザーの満足度を高め、サイトの信頼性を向上させるため、SEO対策において重要な要素となっています。
ランキングへの影響
Googleは、ユーザーに最適な検索結果を提供することを目指しています。そのため、ページエクスペリエンスが高いページは、検索順位で優遇される傾向にあります。
ただし、ページエクスペリエンスはランキングアルゴリズムにおける多くの要素の1つであり、コンテンツの質や関連性など、他の要素も重要になります。ページエクスペリエンスが優れているからといって、必ずしも上位表示されるわけではないため、誤解しないよう注意が必要です。
ページエクスペリエンスは、特に競争の激しいキーワードにおいて、検索順位に大きな影響を与える可能性があります。他の要素が同程度である場合、ページエクスペリエンスが優れたページが上位に表示される可能性が高まります。
2021年からは、ページエクスペリエンスがモバイル検索ランキングのシグナルとして正式に導入され、2022年にはデスクトップ検索にも導入されました。(参考:Google 検索セントラル ブログ)。
そのため、ページエクスペリエンスの重要性はますます高まっています。
ユーザー行動への影響
例えば、ページの読み込み速度が速ければ、ユーザーはストレスなくコンテンツを閲覧できますし、モバイルフレンドリーなサイトであれば、スマートフォンで快適に操作ができます。
特にスマホの場合は、見たいコンテンツをスマートにストレスなく閲覧したり操作したりできることで、自然と滞在時間が延びるものですよね。
このように、快適にサイトを閲覧できると、直帰率の低下や滞在時間の増加、CVRの向上などに繋がることが期待できます。
これらの要素が総合的に改善されることで、ユーザーエンゲージメントの向上、ブランドイメージの向上、そして最終的にはビジネスの成長に繋がると考えられます。
ページエクスペリエンスの測定方法
ページエクスペリエンスを測定するツールはいくつかありますが、主要なツールとしてGoogleが提供するPageSpeed InsightsとSearch Consoleの2つを紹介します。
PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsは、任意のURLを入力するだけで、モバイルとパソコンの両方におけるページエクスペリエンスのスコアと改善点を提示してくれる無料のツールです。
スコアは0から100点で評価され、Core Web Vitalsの測定値も確認できます。改善点は、具体的な問題点と解決策が提示されるため、改善作業に役立ちます。
PageSpeed Insightsでわかること
- パフォーマンススコア(全体的なページの速度)
- Core Web Vitals(LCP、FID、CLS)のスコアと具体的な数値
- 改善すべき具体的な問題点と解決策
Search Console
Search Consoleは、Google検索におけるWebサイトのパフォーマンスを監視・管理するための無料ツールです。
ページエクスペリエンスレポートでは、Core Web Vitalsの良好なURL、改善が必要なURL、不良なURLの数がグラフで表示され、問題のあるページを特定できます。
また、問題が解決された際に検証を行うことも可能です。
Search Consoleでわかること
- Core Web Vitalsの良好なURL、改善が必要なURL、不良なURLの数
- 問題のあるURLの具体的な問題点
- 問題が解決されたかの検証
PageSpeed InsightsとSearch Consoleを併用することで、Webサイト全体のページエクスペリエンスの現状を把握し、具体的な改善策を講じることができるようになります。
これらのツールを活用して、ユーザーにとって快適なWebサイトを目指しましょう。
ページエクスペリエンスの改善ポイント
ここでは、ページエクスペリエンスを構成するそれぞれの要素について、具体的な改善ポイントを解説します。
Core Web Vitalsの改善
前述したように、Core Web Vitalsはユーザーのページ体験を数値化した指標であり、ページエクスペリエンスにおいて重要な役割を果たします。
LCP、FID、CLSの3つの指標それぞれについて、改善策を見ていきましょう。
LCPの改善策
LCPは、ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間を計測します。LCPを改善するためのポイントは以下の通りです。
- サーバーの応答速度を最適化するサーバーの応答が遅いとLCPが悪化します。サーバーの処理能力を高めたり、キャッシュの有効活用を行ったりするなどして、サーバーの応答速度を改善しましょう。
- レンダリングをブロックするリソースを排除するJavaScriptやCSSなどのリソースがレンダリングをブロックしていると、LCPが悪化します。不要なリソースを削除したり、遅延読み込みを検討したりすると良いでしょう。
- 画像を最適化するサイズの大きい画像はLCPを悪化させる要因となります。適切な画像形式を選択し、圧縮ツールなどを活用して画像を最適化しましょう。次世代フォーマットであるWebPの利用も検討しましょう。
- クライアント側のレンダリングを最適化するクライアント側でのレンダリング処理に時間がかかるとLCPが悪化します。JavaScriptの実行時間を短縮するなど、クライアント側のレンダリングを最適化しましょう。
FIDの改善策
FIDは、ユーザーが初めてページを操作してからブラウザが応答するまでの時間を計測します。FIDを改善するためのポイントは以下の通りです。
- JavaScriptの実行時間を短縮するJavaScriptの実行に時間がかかるとFIDが悪化します。JavaScriptのコードを最適化したり、Web Workersを活用してメインスレッドの負荷を軽減したりしてみましょう。
- 長時間のタスクを分割する長時間のタスクが実行されているとFIDが悪化します。長時間のタスクを小さなタスクに分割して実行することで、FIDを改善できます。
- 入力応答の優先順位を最適化するユーザーの入力に対してブラウザが迅速に応答できるように、入力応答の優先順位を最適化しましょう。
CLSの改善策
CLSは、ページのレイアウトの安定性を計測します。CLSを改善するためのポイントは以下の通りです。
- 画像や動画のサイズを指定する画像や動画のサイズが指定されていないと、コンテンツが読み込まれた際にレイアウトがずれてしまう可能性があります。必ず画像や動画のサイズを指定しましょう。
- フォントのサイズを指定するフォントのサイズが指定されていないと、フォントが読み込まれた際にレイアウトがずれてしまうことがあります。font-displayプロパティを適切に設定することで、CLSの悪化を防ぐことができます。
- アニメーションやトランジションを最適化するアニメーションやトランジションがレイアウトの変化を引き起こす場合は、transformプロパティを使用するなどして、CLSの悪化を防ぎましょう。
- 広告の配置を最適化する広告が読み込まれた際にレイアウトがずれてしまう場合は、広告のサイズを指定したりプレースホルダーを設定したりするなどして、CLSの悪化を防ぎましょう。
モバイルフレンドリーの改善
モバイルフレンドリーを実現するためのポイントは、レスポンシブデザインを採用すること、モバイル端末での表示速度やタッチ操作を最適化することなどです。
Googleが提供するLighthouseを利用して、サイトがモバイルフレンドリーに対応しているか確認できます。
セーフブラウジングの確保
セーフブラウジングを確保するためには、Webサイトを常に最新の状態に保ち、セキュリティ対策を適切に実施することが重要です。
HTTPSの設定
HTTPSは、Webサイトとユーザー間の通信を暗号化するセキュリティプロトコルです。HTTPSを設定することで、ユーザーのプライバシー保護に役立つだけでなく、SEOの観点からも重要なものです。
インタースティシャル広告の適切な使用
インタースティシャル広告とは、コンテンツ全体を覆うように表示される広告のことです。そのため、ユーザーエクスペリエンスを損なう可能性があり、適切に使用することが重要になります。
ユーザーがコンテンツにアクセスしづらいようなインタースティシャル広告は避けるべきといえるでしょう。
具体的なページエクスペリエンス改善事例
ここからは、実際にページエクスペリエンスを改善した事例をいくつかご紹介し、具体的な改善策と、その結果得られた効果について解説します。
ECサイトにおけるLCP改善事例
あるECサイトでは、商品詳細ページのLCPが非常に悪く、ページ表示速度が遅いことが課題でした。そこで、以下のような改善策を実施しました。
画像の最適化
商品画像はGoogleが開発した次世代画像フォーマットである“WebP形式”に変換し、サイズも適切なものに変更して、ファイルサイズを大幅に削減しました。
また、Lazy Load(※)を導入し、スクロールに合わせて画像を読み込むように変更しました。
(※)Lazy Load:Webページ内の画像やiframeなどのリソースを、ユーザーがその場所にスクロールして近づいたときに初めて読み込む技術。
不要なJavaScriptの削除
使用していないJavaScriptファイルや、レンダリングをブロックするJavaScriptを特定し、削除または遅延読み込みに変更することで、初期表示を高速化しました。
改善策 | 効果 |
画像の最適化 | LCPが5秒から2秒に短縮 |
不要なJavaScriptの削除 | LCPが2秒から1.5秒に短縮 |
これらの改善の結果、LCPが大幅に改善され、直帰率が減少、コンバージョン率が向上しました。
ブログサイトにおけるCLS改善事例
あるブログサイトでは、広告の遅延読み込みによってレイアウトがずれる現象が発生し、CLSが悪化していました。そこで、広告のプレースホルダーを設定することで、レイアウトシフトを抑制しました。
広告プレースホルダーの設定
広告が表示される領域に、あらかじめ広告と同じサイズのプレースホルダーを設定して、広告が読み込まれる際にレイアウトがズレることを防ぎました。
また、広告のサイズを指定することで、レイアウトの崩れを最小限に抑えました。
その結果、CLSが0.3から0.1に改善し、ユーザー体験の向上に繋がりました。
企業サイトにおけるモバイルフレンドリー改善事例
ある企業サイトは、スマートフォンでの表示が最適化されておらず、モバイルフレンドリーテストで低いスコアが出ていました。
そこで、レスポンシブデザインを導入し、スマートフォンでも見やすいようにサイトを再構築しました。
レスポンシブデザインの導入
CSSメディアクエリを使用して、画面サイズに応じたレイアウトやフォントサイズを調整することで、スマートフォンでも快適に閲覧できるようにしました。また、タッチ操作に最適化されたボタンやメニューを実装しました。
すると、モバイルフレンドリーテストのスコアが向上し、スマートフォンからのアクセス数が増加しました。
これらの事例はあくまで一例ですが、ページエクスペリエンスの改善は、ユーザー体験の向上に繋がり、SEOにも良い影響を与えます。それぞれのサイトの状況に合わせて適切な改善策を実施し、ユーザーにとって、より良いWebサイトを目指しましょう!
まとめ
この記事では、Google検索におけるページエクスペリエンスの重要性について解説しました。
快適なページエクスペリエンスを提供することは、ユーザーの満足度向上に繋がり、結果としてWebサイトへの再訪問やコンバージョン率の向上に繋がることが期待できます。
ページエクスペリエンスの改善は、一朝一夕でできるものではありません。
継続的な分析と改善を繰り返すことで、ユーザーにとってより快適なWebサイトを実現し、検索順位の向上に繋げることができるでしょう。
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