売上UPに繋がるKPI目標設定例:主要KPIと目標達成のための施策事例を紹介

2025.05.16

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    売上UPを目指しているのに、なかなか成果が出ないとお悩みではありませんか?成果を出すための鍵は、「適切なKPI設定」と「具体的な施策の実行」にあります。

    そこで、KPIの基本的な考え方から、売上UPに直結する主要KPI業界別の具体的な目標設定例施策事例まで解説します。

    ECサイト、飲食店、製造業など、それぞれのビジネスに合わせたKPI設定のポイントを理解し、目標達成のためのPDCAサイクルを回すための具体的な方法を学んで、着実に売上UPを実現していきましょう!

    KPIとは? なぜ目標設定が重要なのか

    ビジネスにおいて、目標達成のために欠かせないのが「KPIの設定」です。KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。つまり、ビジネスの目標達成度合いを測るための重要な指標となるものです。

    KPIの基本的な考え方

    KPIの基本的な考え方は、目標を達成するために重要な要素を数値化し、その数値を指標として進捗状況を管理することです。漠然とした目標ではなく、具体的な数値目標を設定することで、現状を把握しやすくなり、改善策を打ち出しやすくなります。

    また、KPIは組織全体で共有することで、共通の目標に向かって進むための指針にもなります。

    KPIを設定する際には、以下の点を意識することが大切です。

    • 目標と関連性がある指標を選ぶ
    • 測定可能な指標を選ぶ
    • 達成可能な指標を選ぶ
    • 関連性があり、かつ重要な指標を選ぶ
    • 期限を設定する

    これらの点を踏まえることで、効果的なKPI設定ができるようになります。
    例えば、「Webサイトへのアクセス数を増やす」という目標に対して、「Webサイトへのアクセス数自体をKPIとして設定する」こともできますし、「SEO対策」として「被リンク数をKPIとして設定する」ことも考えられます。

    どちらの場合も、具体的な数値目標と期限を設定することで、進捗状況を的確に把握し、目標達成に向けて効果的な施策を実行できるようになります。

    目標設定の重要性

    KPIを設定する上で、目標設定は非常に重要です。なぜなら、KPIは目標達成のための指標であり、目標が明確でなければ適切なKPIを設定することができないからです。
    目標設定は、ビジネスの方向性を定め、社員のモチベーションを高める上でも重要な役割を果たします。

    目標設定においては、SMARTの原則を意識すると効果的です。SMARTとは、以下の5つの要素の頭文字を取ったものです。

    要素意味
    Specific(具体的)目標は具体的で明確であること。
    Measurable(測定可能)目標は測定可能でなければなりません。
    Achievable(達成可能)目標は達成可能な範囲で設定する。
    Relevant(関連性)目標はビジネス全体と関連していること。
    Time-bound(期限付き)目標には期限を設定する。

    SMARTの原則に基づいて目標を設定することで、より効果的なKPI設定ができるようになり、その結果、ビジネスの成功につながることが期待できます。

    例えば、「Webサイトへのアクセス数を増やす」という目標ではなく、「3ヶ月以内にWebサイトへのアクセス数を現状の1.5倍にする」というように、具体的かつ期限を設けた目標を設定することで、KPIを明確に設定しやすくなります。

    また、この目標に対して、SEO対策、広告出稿、SNS運用など様々な施策を検討し、それぞれの施策におけるKPIを設定していくことも可能になります。

    売上UPのための主要KPI

    売上を向上させるためには、適切なKPIを設定し、その目標値を達成するための施策を実行していくことが重要です。売上UPに関連する主要なKPIには、顧客獲得数、顧客単価、WebサイトKPI、営業活動KPIなどがあります。

    それぞれ以下で解説していきます。

    顧客獲得数

    顧客獲得数は、新規顧客の獲得既存顧客の維持という2つの側面から捉えることができます。それぞれに適切なKPIを設定することで、効率的な顧客獲得戦略を立てることができます。

    新規顧客獲得数

    新規顧客獲得数は、ビジネスの成長にとって非常に重要な指標です。新規顧客獲得数をKPIとして設定することで、マーケティング活動の効果測定や改善に役立ちます

    例えば、Web広告やSNSキャンペーンの効果を測定し、費用対効果の高い施策に注力することができます。

    既存顧客維持率

    既存顧客維持率は、既存顧客をどれだけ維持できているかを示す指標です。新規顧客の獲得にはコストがかかるため、既存顧客を維持することは売上向上に大きく貢献します。既存顧客維持率をKPIとして設定することで、顧客ロイヤルティ向上のための施策の効果を測定できます

    顧客単価

    顧客単価は、顧客一人あたりが購入する金額の平均値です。顧客単価を向上させることで、売上を伸ばすことができます。顧客単価に関連するKPIとして、平均購入単価リピート率があります。

    平均購入単価

    平均購入単価は、顧客一人あたりの平均的な購入金額を示す指標です。アップセルやクロスセルなどの施策によって、平均購入単価を向上させることができます。平均購入単価をKPIとして設定することで、これらの施策の効果を測定することが可能です。

    リピート率

    リピート率は、一度購入した顧客が再び購入する割合を示す指標です。リピート率が高いほど、顧客ロイヤリティが高いと言えます。リピート率をKPIとして設定することで、顧客満足度向上のための施策の効果を測定できます。

    WebサイトKPI

    WebサイトKPIは、Webサイトのパフォーマンスを測定するための指標です。Webサイトからの売上向上を目指すのであれば、アクセス数コンバージョン率などをKPIとして設定することが重要です。

    アクセス数

    アクセス数は、Webサイトへの訪問者数を示す指標です。アクセス数をKPIとして設定することで、SEO対策やWeb広告などの効果を測定することが可能になります。

    コンバージョン率(CVR)

    コンバージョン率は、Webサイト訪問者が目標とする行動(購入、資料請求など)を達成した割合を示す指標です。コンバージョン率をKPIとして設定することで、Webサイトの改善点を見つけることができます。

    営業活動KPI

    営業活動KPIは、営業活動の成果を測定するための指標です。商談数成約率などをKPIとして設定することで、営業活動の効率化を図ることができるようになります。

    商談数

    商談数は、営業担当者が顧客と商談を行った件数を示す指標です。商談数をKPIとして設定することで、営業活動の進捗状況を把握できます。

    成約率

    成約率は、商談が成約に至った割合を示す指標です。成約率をKPIとして設定することで、営業担当者のパフォーマンスを評価できます。

    KPI目標設定の具体的な手順

    KPIを効果的に活用するためには、適切な目標設定が不可欠です。目標設定は、現状分析から始まり、目標値の設定→KPIツリーの作成という手順で行います。

    現状分析

    現状分析では、まず、現在のビジネス状況を客観的に把握します。売上、顧客数、Webサイトのアクセス数など、ビジネスに関連する様々なデータを収集し、現状の問題点や改善点を明確にします。

    例えば、Google Analyticsを用いてWebサイトのアクセス状況を分析したり、顧客管理システムから顧客の属性や購買履歴を分析したりすることで、現状を深く理解することができます。これらのデータに基づいて、KPIを設定することで、より効果的な目標設定が可能になります。

    目標値の設定

    次に、現状分析に基づいて具体的な目標値を設定します。目標値の設定する際は、前述したSMARTの原則を意識して数値で明確に表現することが重要です。

    例えば、「Webサイトのアクセス数を増やす」という目標ではなく、「Webサイトのアクセス数を3ヶ月で20%増加させる」というように、具体的な数値目標を設定することで、進捗状況を正確に把握し、目標達成に向けた取り組みを効果的に進めることができます。

    SMARTな目標設定

    要素説明
    Specific(具体的)目標は具体的で明確である必要があります。Webサイトのアクセス数を増やすのではなく、特定のページへのアクセス数を増やす、といった具体的な目標を設定する。
    Measurable(測定可能)目標の達成度を測定できる必要があります。アクセス数、コンバージョン率など、数値で測定可能な指標を用いる。
    Achievable(達成可能)目標は現実的で達成可能なものである必要があります。現状の資源や能力を考慮し、無理のない目標を設定する。
    Relevant(関連性)目標はビジネス全体の目標と関連している必要があります。Webサイトのアクセス数増加が、最終的な売上増加にどのように貢献するかを明確にする。
    Time-bound(期限付き)目標達成の期限を明確にする必要があります。3ヶ月後、半年後など、具体的な期限を設定する。

    KPIツリーの作成

    KPIツリーは、最終的な目標(KGI)を達成するために必要なKPIを「階層構造」で示したものです。KPIツリーを作成することで、各KPIの関連性を明確にし、目標達成に向けた取り組みを効率的に進めることができます。 

    例えば、最終的な目標(KGI)を「売上高10%アップ」と設定した場合、その下に「新規顧客獲得数増加」「既存顧客維持率向上」「顧客単価向上」といったKPIを設定し、さらにその下に「Webサイトアクセス数増加」「コンバージョン率向上」といったKPIを設定していくことで、KPIツリーが完成します。

    KPI目標設定例:業界別の事例

    ここでは、異なる業界におけるKPI目標設定の具体的な例を、目標達成のための施策例とともにご紹介いたします。

    ECサイト

    KPI設定例

    KPI目標値計測期間
    コンバージョン率3%1ヶ月
    平均注文単価10,000円1ヶ月
    顧客生涯価値(CLTV)50,000円1年間
    カート放棄率70%以下1ヶ月
    新規顧客獲得数1,000人1ヶ月

    目標達成のための施策例

    • コンバージョン率向上のため、サイト内の導線を最適化し、ユーザビリティを向上させる。
    • 平均注文単価向上のため、関連商品のおすすめやクロスセル、アップセルを積極的に行う。
    • 顧客生涯価値向上のため、顧客ロイヤリティプログラムを導入し、リピート購入を促進する。
    • カート放棄率低下のため、カート放棄メールを送信し、購入を促す。
    • 新規顧客獲得のため、SEO対策やリスティング広告、SNS広告などを活用する。

    飲食店

    KPI設定例

    KPI目標値計測期間
    客単価2,000円1ヶ月
    来店客数1,500人1ヶ月
    リピート率30%1ヶ月
    テーブル回転率3回転ランチタイム
    顧客満足度4.5以上(5段階評価)1ヶ月

    目標達成のための施策例

    • 客単価向上のため、セットメニューの提案や季節限定メニューの提供を行う。
    • 来店客数増加のため、クーポン発行や地域イベントへの参加、SNSでの情報発信を行う。
    • リピート率向上のため、ポイントカードの導入や顧客とのコミュニケーションを強化する。
    • テーブル回転率向上のため、オペレーションの効率化を図る。
    • 顧客満足度向上のため、従業員教育を徹底し、サービス品質の向上に努める。

    製造業

    KPI設定例

    KPI目標値計測期間
    生産性前年比110%1年間
    不良品率1%以下1ヶ月
    設備稼働率90%以上1ヶ月
    リードタイム5日以内受注から納品まで
    従業員満足度4.0以上(5段階評価)1年間

    目標達成のための施策例

    • 生産性向上のため、生産工程の自動化や作業効率化のための改善活動を行う。
    • 不良品率低下のため、品質管理体制の強化や原因分析、再発防止策の実施を行う。
    • 設備稼働率向上のため、定期的なメンテナンスや予防保全を実施する。
    • リードタイム短縮のため、生産計画の最適化や在庫管理の効率化を図る。
    • 従業員満足度向上のため、労働環境の改善やスキルアップのための研修機会を提供する。

    これらの例はあくまで一例です。それぞれの企業の状況に合わせて適切なKPIを設定し、目標達成のための施策を検討してみましょう。

    KPI目標設定の注意点

    KPIを設定し、目標達成に向けて行動していくことは重要ですが、設定したKPIや目標値が常に適切とは限りません。ビジネス環境の変化や市場の動向、社内の状況変化などによって、当初設定したKPIが現状にそぐわなくなってしまうケースもあります

    そこで「KPIの見直し」と「目標達成のためのPDCAサイクルを回す」ことが重要になります。

    KPIの適切な見直し

    KPIは一度設定したら終わりではなく、定期的な見直しが必要です。ビジネス環境の変化や市場の動向社内の状況変化に合わせてKPIを見直すことで、常に適切な指標に基づいて事業を進めることができます。

    見直しの頻度は、事業の状況やKPIの種類によって異なりますが、四半期ごと、または年に一度は見直すようにしましょう。

    また、目標値についても、現状のKPIを達成できる見込み今後の事業展開などを考慮して調整する必要があります。

    KPIを見直す際には、以下の点を考慮しましょう。

    • 現在のKPIが事業目標に合致しているか
    • KPIが測定可能で、具体的な数値で表せるか
    • KPIが達成可能で、現実的な目標値が設定されているか
    • KPIが関連部門に周知され、理解されているか

    目標達成のためのPDCAサイクル

    設定したKPIに基づいて目標を達成するためには、PDCAサイクルを回すことが重要になります。PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのステップを繰り返すことで、継続的に業務を改善していく手法です。

    KPI目標設定においても、このPDCAサイクルを適用することで、目標達成の精度を高めることができます。

    各ステップは以下のとおりです。

    ステップ内容
    Plan(計画)KPIに基づいて具体的な行動計画を立てます。目標達成のための施策を明確にし、担当者やスケジュールなどを決定します。
    Do(実行)計画に基づいて、具体的な行動を実行します。実行にあたっては、進捗状況をこまめに確認し、問題が発生した場合は速やかに対応する必要があります。
    Check(評価)実行した結果を評価します。KPIの達成状況を確認し、目標達成度を分析します。目標未達の原因を分析することも重要です。
    Action(改善)評価結果に基づいて、改善策を検討・実施します。KPIの見直しや目標値の調整、行動計画の修正などを行います。
    改善策を実施した後は、再度PDCAサイクルを回し、継続的に改善を繰り返します。

    KPIツールの活用

    目標を達成するためには、KPIの計測、管理、分析非常に重要です。これらの作業を効率的に行うためには、KPIツールを活用することが有効です。
    KPIツールには無料のものから有料のものまで様々な種類があります。目的に合わせて最適なツールを選びましょう。

    無料ツール

    無料ツールは、手軽にKPI管理を始めたい場合に適しています。機能は有料ツールに比べて限定的である場合が多いですが、基本的なKPI管理機能は備えています

    スプレッドシート

    Microsoft ExcelやGoogle スプレッドシートなどのスプレッドシートは、KPI管理の基本的なツールとして活用できます。数式やグラフ作成機能を利用して、KPIの推移を可視化することが可能です。ただし、複数人で同時に編集する場合、バージョン管理などに注意が必要です。

    Looker Studio(旧Googleデータポータル)

    Looker Studioは、様々なデータソースを接続し、インタラクティブなダッシュボードを作成できる無料ツールです。スプレッドシートのデータだけでなく、Google アナリティクスやサーチコンソールなどのデータも連携できます。視覚的にわかりやすいレポートを作成し、KPIの進捗状況をリアルタイムで把握することができます。

    有料ツール

    有料ツールは、より高度な分析や機能を求める場合に適しています。無料ツールに比べて豊富な機能が提供されており、チームでのKPI管理や大規模なデータ分析にも対応できます。

    ツール名主な機能特徴
    Google アナリティクス360 (Google Marketing Platform)アクセス解析、コンバージョン分析、ユーザー行動分析など高度な分析機能、大規模データへの対応
    Adobe Analytics (Adobe Analytics)Web分析、マーケティング分析、顧客行動分析など多様なデータソースとの連携、カスタマイズ性の高さ
    Tableau (Tableau Desktop)データ可視化、ダッシュボード作成、データ分析などドラッグ&ドロップで操作可能、インタラクティブなレポート作成
    Power BI (Power BI)データ可視化、ダッシュボード作成、ビジネスインテリジェンスなどMicrosoft製品との連携、クラウドベースでの利用

    KPIツールは、目標達成のための強力なツールとなります。それぞれのツールの特徴を理解し、自社のニーズに合ったツールを選択することで、KPI管理をより効果的に行うことができます。無料ツールから始めて、必要に応じて有料ツールへの移行を検討するのも良いでしょう。

    まとめ

    ここまで、KPIの基礎から目標設定の考え方、業界別の具体的な設定事例までを解説してきました。KPIはビジネスの成果を可視化し、組織を同じ方向へ導く強力なツールです。

    しかし、実際には「KPIは設定できても、その進捗をどう管理すればいいのかわからない」「社内に運用できる人材がいない」といったお悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。

    そうした場合は、プロの力を借りるという選択肢も有効です。

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