ウェブサイトのアクセスアップを目指してコンテンツを増やしているのに、思うように成果が出ない…それは、もしかしたら「カニバリSEO」が原因かもしれません。
そこで、この記事では、カニバリSEOが発生するメカニズムやデメリットに加えて、具体的な対策方法も解説します。
さらに、キーワードの見直しやコンテンツの差別化、サイト構造の最適化といった対策やツールを使った具体的な改善方法もご紹介します。
カニバリSEOは、ウェブサイトのSEOパフォーマンスを大きく左右する可能性があります。適切な対策を行い、検索順位の向上とウェブサイトへのアクセス増加を目指していきましょう!
※カニバリゼーションについて、より詳しく知りたい方は「カニバリとは?意味と具体事例と対策を解説!」こちらも併せてご覧ください。
カニバリSEOとは
カニバリSEOとは、同一Webサイト内の複数のページが、同じキーワードで検索エンジンのランキングを競合してしまう現象です。
カニバリゼーション(共食い)という言葉の通り、本来であれば1つのページに集約されるべきアクセスが、複数のページに分散してしまうため、検索順位の低下やクリック率の減少につながります。
結果として、Webサイト全体のSEOパフォーマンスを悪化させる要因となります。
カニバリSEOが発生するメカニズム
Googleなどの検索エンジンは、ユーザーの検索意図に最も合致するページを上位に表示しようとします。同一サイト内に同じキーワードをターゲットとした類似ページが複数存在する場合、検索エンジンはどのページが最も適切なのか判断に迷ってしまいます。
そのため、本来上位表示を狙っていたページの順位が下落したり、インデックスされない可能性も出てきます。
また、ユーザーにとっても、類似したコンテンツが複数表示されることで、どのページを見れば良いのか混乱を招き、サイトへの信頼性を損なってしまうかもしれません。
カニバリSEOのデメリット
カニバリSEOは、WebサイトのSEOに様々な悪影響を及ぼします。主なデメリットを以下にまとめました。
デメリット | 詳細 |
検索順位の低下 | 複数のページが同じキーワードで競合するため、個々のページの順位が不安定になり、下落する可能性が高くなります。 |
クリック率の減少 | 検索結果に類似したページが複数表示されることで、ユーザーがどのページをクリックすれば良いのか迷い、結果としてクリック率が低下します。 |
クロールバジェットの浪費 | 検索エンジンのクローラーが、類似したコンテンツを持つ複数のページをクロールすることに時間を費やし、重要なページへのクロールが疎かになる可能性があります。 |
ページの評価分散 | 良質なコンテンツでも、類似ページに分散してしまうことで、個々のページの評価が低くなり、検索順位向上を阻害します。 |
コンバージョン率の低下 | ユーザーが求める情報にたどり着きにくくなり、結果としてコンバージョン率の低下につながります。 |
これらのデメリットを避けるためにも、カニバリSEOへの対策は非常に重要です。具体的な対策方法については、この後詳しく解説していきます。
カニバリSEOの主な原因
カニバリSEOは、複数のWebページが同じキーワードで上位表示を狙うことにより、互いに競合し、結果として検索順位が下落してしまう現象です。
この現象は、主に「キーワード」「コンテンツ」「サイト構造」の3つの要素が原因で発生します。
キーワードの重複
同じキーワードを複数のページで使用すると、検索エンジンはどのページが最も関連性が高いか判断できず、結果として検索順位が分散し、下落する可能性があります。これを「キーワードカニバリゼーション」と呼びます。
キーワードカニバリゼーション
キーワードカニバリゼーションは、意図的に同じキーワードを複数のページで使用する場合と、意図せずに重複してしまう場合があります。
意図的な場合=異なるキーワードでページを作成する、既存ページのキーワードを修正することで対策できます。
意図せず重複している場合=キーワード調査ツールなどを活用して、キーワードの重複を確認し、修正する必要があります。
コンテンツの類似性
複数のページでコンテンツの内容が類似していると、検索エンジンはどのページが最も有用な情報を持っているか判断できず、結果として検索順位が下落する可能性があります。これを「コンテンツカニバリゼーション」と呼びます。
コンテンツカニバリゼーション
コンテンツカニバリゼーションは、テーマが同じコンテンツを複数作成してしまう場合や既存コンテンツをコピーして別のページに掲載してしまう場合などに発生します。
サイト構造の問題
サイト構造に問題があると、検索エンジンがWebサイトを適切にクロール・インデックスできず、カニバリSEOが発生する可能性があります。
具体的には、URL構造の重複や類似、内部リンクの不適切な設定などが原因となります。
URL構造の重複や類似
以下のようにURL構造が重複または類似していると、検索エンジンはどのURLが正規のページか判断できず、カニバリSEOが発生してしまうことがあります。
問題 | 対策 |
www.example.com/product-a/ | www.example.com/product-a |
www.example.com/product-a/index.html | www.example.com/product-a |
内部リンクの最適化
内部リンクが適切に設定されていないと、検索エンジンがWebサイト内の重要なページを認識できず、カニバリSEOが発生する可能性があります。
カニバリSEOの対策
カニバリSEOが発生している場合、検索順位の低下やクリック率の減少といった悪影響を及ぼす可能性があります。これらの問題を解決し、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させるためには、対策を講じる必要があります。
カニバリSEOの対策は、主にキーワードの見直し、コンテンツの差別化、サイト構造の最適化から行います。
以下でそれぞれ解説いたします。
キーワードの見直し
カニバリSEOが発生する原因の一つに、複数のページで同じキーワードをターゲットにしている「キーワードカニバリゼーション」が挙げられます。
キーワードカニバリゼーションを防ぐためには、各ページでターゲットとするキーワードを明確にし、重複を避ける必要があります。
キーワードプランナーを使ったキーワード選定
キーワードプランナーなどのツールを活用することで、関連性の高いキーワードを網羅的に調べることができます。検索ボリュームや競合性を考慮しながら、各ページに最適なキーワードを選定しましょう。
コンテンツの差別化
キーワードが重複していなくても、コンテンツの内容が似通っていると「コンテンツカニバリゼーション」が発生する可能性があります。
コンテンツカニバリゼーションを防ぐためには、各ページのコンテンツを差別化し、それぞれ独自の価値を提供する必要があります。コンテンツの差別化には、既存コンテンツのリライトや新規コンテンツの作成といった方法があります。
既存コンテンツのリライト
既存のコンテンツをリライトすることで、内容をより充実させたり、ターゲットキーワードを明確にしたりすることができます。重複しているコンテンツを統合し、より包括的なコンテンツを作成することも有効です。
新規コンテンツの作成
既存のコンテンツではカバーしきれていないテーマについて新規コンテンツを作成することで、ウェブサイト全体の価値を高めることができます。
ユーザーの検索意図を満たす多様なコンテンツを提供することで、カニバリSEOのリスクを軽減できます。
サイト構造の最適化
ウェブサイトの構造が複雑であったりURLの構成が適切でなかったりすると、カニバリSEOが発生する可能性があります。サイト構造を最適化することで、クローラーがウェブサイトの内容を正しく理解しやすくなり、カニバリSEOのリスクを軽減できます。
サイト構造の最適化には、URLの正規化や内部リンクの最適化といった方法があります。
URLの正規化
同じコンテンツに複数のURLが存在する場合、正規URLを指定することで、検索エンジンにどのURLを優先的にインデックスさせるかを指示できます。canonicalタグを使用して正規URLを指定する方法が一般的です。
正規化について詳しくは、Google検索セントラル ドキュメントをご参照ください。
内部リンクの最適化
内部リンクを適切に設定することでウェブサイト内の関連ページ同士を結びつけ、ユーザーの回遊率を高めることができます。
また、検索エンジンがウェブサイトの構造を理解しやすくなるため、カニバリSEOの防止にも繋がります。アンカーテキストを適切に設定することも重要です。
対策 | 具体的な方法 |
キーワードの見直し | キーワードプランナーを使ったキーワード選定、重複キーワードの削除 |
コンテンツの差別化 | 既存コンテンツのリライト、新規コンテンツの作成、コンテンツの統合 |
サイト構造の最適化 | URLの正規化、内部リンクの最適化、サイトマップの送信 |
“ツール”を使ったカニバリSEOの具体的な改善方法
カニバリSEO対策は、原因を特定して適切な対策を行う必要があります。
ここでは、SEOツールを活用した具体的な改善方法について解説します。これらのツールを駆使することで、カニバリSEOの発生を未然に防ぎ、ウェブサイトのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるようになります。
Google Search Console
Google Search Consoleは、Googleが提供する無料のツールで、ウェブサイトのパフォーマンスを監視し、問題点を特定するのに役立ちます。カニバリSEOの発見にも活用できます。
Search ConsoleでカニバリSEOを発見する方法
Google Search Consoleでは、特定のキーワードで検索結果に表示されているページを確認できます。
同じキーワードで複数のページが上位表示されている場合、カニバリSEOが発生している可能性が考えられます。
具体的な手順は以下の通りです。
- Google Search Consoleにログインします。
- 左側のメニューから「検索パフォーマンス」を選択します。
- 「+新規」をクリックし、「クエリ」を選択します。
- 調査したいキーワードを入力します。
- 表示された結果から、同じキーワードで順位を争っているページがないか確認します。クリック数や表示回数の差が大きい場合、カニバリSEOの可能性が高まります。
また、Google Search Consoleのパフォーマンスレポートで、特定のページのクリック数や表示回数の推移を確認することも有効です。
急激な減少が見られる場合、カニバリSEOによって順位が下落した可能性があります。その場合は、対象ページのコンテンツやキーワードを再検討する必要があります。
GRC
GRC (ジーアールシー) はSEOツールです。キーワードランキングの計測、競合サイト分析など、様々な機能を備えています。カニバリSEOの発見にも役立ちます。
GRCでカニバリSEOを発見する方法
GRCでは、特定のキーワードで検索結果に表示されているURLを確認できます。同じキーワードで複数のURLが上位表示されている場合、カニバリSEOが発生している可能性があります。
具体的な手順は以下の通りです。
- GRCにログインします。
- 登録したプロジェクトを選択します。
- 「キーワードランキング」を選択します。
- 順位変動の大きいキーワード、または狙っているキーワードを検索します。
- 表示された結果から、同じキーワードで順位を争っているURLがないか確認します。順位の変動が激しい場合、カニバリSEOの可能性が高まります。
GRCは、キーワードの順位変動を時系列で確認できるため、カニバリSEOの影響を把握しやすいというメリットがあります。 また、競合サイトの順位も確認できるため、競合との比較分析にも役立ちます。
SimilarWeb
SimilarWebは、ウェブサイトのトラフィックやエンゲージメントを分析するためのツールです。競合サイトの分析にも活用できます。
SimilarWebで競合サイトを分析
SimilarWebでは、競合サイトがどのようなキーワードでトラフィックを獲得しているかを分析できます。自社サイトと競合サイトで同じキーワードを狙っている場合、カニバリSEOが発生する可能性があります。
具体的な手順は以下の通りです。
- SimilarWebにアクセスします。
- 分析したい競合サイトのURLを入力します。
- 「競合分析」などの機能を利用し、競合サイトが獲得しているキーワードを確認します。
- 自社サイトでも同じキーワードを狙っている場合、カニバリSEOが発生する可能性を検討します。
SimilarWebを用いることで、競合サイトのSEO戦略を把握し、自社サイトのSEO戦略に役立てることができます。
また、競合サイトがどのようなコンテンツでトラフィックを獲得しているかを分析することで、自社サイトのコンテンツ改善にも役立ちます。
これらのツールを活用してカニバリSEOの発生を未然に防ぎ、ウェブサイトのパフォーマンス向上に繋げましょう。
ツールによって得られる情報はあくまで参考情報であり、最終的にはウェブサイト全体の状況を考慮した上で判断することが重要であることも、頭に入れておきましょう。
まとめ
この記事では、カニバリSEOについて、そのメカニズムやデメリットから、対策方法やツールを使った具体的な改善方法まで解説しました。
カニバリSEOは、複数のページが同じキーワードで上位表示を狙うことで、検索エンジンの評価を分散させてしまい、結果的に検索順位の低下を招く現象を意味します。
主な原因としては、キーワードの重複、コンテンツの類似性、サイト構造の問題が挙げられます。
対策としては、キーワードプランナーを用いたキーワード選定や、既存コンテンツのリライト、新規コンテンツの作成によるコンテンツの差別化、URLの正規化や内部リンクの最適化によるサイト構造の最適化などが効果的です。
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