アウトバウンド営業は効率が悪いという印象がある一方で、新規開拓やすぐにサービスや商品を認知させたい場合に欠かせない営業手法でもあります。
本記事では、アウトバウンド営業の基本からメリットとデメリット、適しているシーンや成功させるためのコツをご紹介します。また、インバウンド営業との違いやアウトバンド営業と併用する相乗効果についても解説します。
※Web営業についての詳細は「Web営業とは?Web集客の戦略方法を解説!」をご覧ください。
アウトバウンド営業とは
アウトバウンド営業とは、企業側から顧客にアプローチする営業手法のことです。
具体的にはー
- 電話営業(テレアポ)
- 飛び込み営業
- DM送付
- 展示会への出展
- メール営業
などが挙げられます。
近年、オンライン営業の普及により、InstagramやTwitterなどのSNSを活用したアウトバウンド営業のアプローチも増加しています。見込み顧客のニーズを把握することが難しい場合でも、投稿やコメントを通じて自然な形で交流を深めることができるため、営業色を押さえたアプローチを行うことができます。
そのため、SNSを活用したアウトバウンド営業は、見込み顧客との関係性が構築しやすく、新規顧客の獲得や休眠顧客の掘り起こしを図ることができるメリットがあります。
このほかにも、アウトバウンド営業には、いくつかのメリットがあります。以下で具体的に紹介していきます。
アウトバウンド営業のメリット
アウトバウンド営業には、以下のようなメリットがあります。
メリット | 詳細 |
能動的な顧客開拓 | 自社で顧客ターゲットを絞り込み、積極的にアプローチすることができるため、スピーディーに顧客を開拓することができます。ニッチな市場を狙う場合に特に有効です。 |
営業活動の制御 | 営業活動のペースやターゲットを自社でコントロールできるため、売上の予測や計画が立てやすくなります。短期的な売上目標の達成にも貢献します。 |
認知度の向上 | 見込み客に対して、自社製品やサービスを認知してもらう機会を増やすことができます。特に新規事業や新製品のローンチ時には、アウトバウンド営業による認知度の向上が重要となります。 |
顧客との関係構築 | 直接顧客とコミュニケーションを取ることでニーズや課題を深く理解することができるため、信頼関係が構築しやすく、長期的な取引につながる可能性が期待できます。 |
アウトバウンド営業のデメリット
アウトバウンド営業には、メリットだけでなくデメリットも存在します。より効果的な戦略を立てるためにも、事前に理解しておくと良いでしょう。
デメリット | 詳細 |
コストと時間 | 人件費やツール利用料、移動費など、相応のコストと時間がかかります。特に、成果に繋がらないアプローチを繰り返すと、費用対効果が悪化する可能性があります。 |
非効率性 | ニーズのない顧客へのアプローチは、時間と労力の無駄につながります。近年では、個人情報保護の観点からも、無作為な営業活動は敬遠される傾向にあります。 |
顧客からの反感 | 必要としていない顧客への一方的なアプローチは、顧客の反感を買う可能性があり、企業イメージの低下にもつながりかねないため、注意が必要です。 |
効果測定の難しさ | インバウンド営業と比較して、効果測定が難しい場合があります。どの施策がどれだけの成果に繋がったかを正確に把握し、改善していく必要があります。 |
これらのデメリットを軽減するためには、顧客のニーズを的確に捉えたアプローチや、営業支援ツールの活用が重要になります。
アウトバウンド営業とインバウンド営業の違い
アウトバウンド営業とインバウンド営業は、どちらも顧客を獲得するための重要な手法ですが、そのアプローチは大きく異なります。
「インバウンド営業」は、見込み顧客となり得るユーザーをWebサイトやブログ、SNSなどを通して惹きつけて関係性を育み、顧客から問い合わせてもらう営業手法を指します。
例えば、新規顧客の開拓を急ぐ場合は「アウトバウンド営業」、長期的な関係構築を目指す場合は「インバウンド営業」といったように、状況に応じて使い分けることが効果的です。それぞれの違いを以下の表にまとめたので、ビジネスを成功させるためにも自社にとって最適な手法を選択するようにしましょう。
項目 | アウトバウンド営業 | インバウンド営業 |
アプローチ | 企業側から顧客へ積極的にアプローチする「プッシュ型営業」 | 顧客から問い合わせてもらう「プル型営業」 |
手法 | テレアポ、飛び込み営業、DM送付、展示会出展など | SEO対策、コンテンツマーケティング、SNS運用、Web広告など |
メリット | 新規顧客の開拓スピードが速い営業活動の進捗管理がしやすい短期間での売上向上に繋がりやすい | 見込み顧客の育成につながる顧客との信頼関係を構築しやすい長期的な売上向上に繋がりやすいコスト効率が良い |
デメリット | 顧客に敬遠される可能性があるコストがかかりやすい効果測定が難しい場合がある | 効果が出るまでに時間がかかる専門知識が必要競合が多い |
ターゲット | 不特定多数、またはある程度絞り込んだ顧客 | 興味関心のある顧客 |
費用対効果 | 初期費用は比較的安価だが、長期的に見ると高くなる可能性もある | 初期費用は高くなる場合もあるが、長期的に見ると高くなる可能性は低い |
※インバウンド営業について詳しく知りたい方は「インバウンド営業とは?向いている業界と手法・メリット紹介」をご覧ください。
アウトバウンド営業に適したシーン
アウトバウンド営業は、すべてのビジネスシーンで万能な手法ではないため、適切なシーンで活用することが成功への鍵となります。
ここでは、アウトバウンド営業が特に効果を発揮するシーンをいくつかご紹介します。
新規顧客の開拓
アウトバウンド営業は、まだ商品やサービスを知らないお客様へのアプローチを可能にするため、新規顧客開拓に非常に有効です。特に、潜在顧客のリストを作成して電話やメールでアプローチすることで、効率的に新規顧客を獲得することができます。
例えば、展示会で名刺交換をした見込み客へのフォローアップや、Webサイトから資料請求があった顧客への電話連絡などが挙げられます。
休眠顧客の掘り起こし
過去に取引のあったものの、現在では取引が途絶えている休眠顧客は、貴重な資産です。アウトバウンド営業を活用することで、休眠顧客との関係を再構築し、取引再開につなげることができます。
例えば、休眠顧客に新商品やサービスの案内、キャンペーン情報の提供などをアプローチすることで、それがきっかけとなり、効率良く売げ上げのアップにつながる可能性があります。
特定のニーズを持つ顧客へのアプローチ
特定の製品やサービスへのニーズが高い顧客層に対して、ピンポイントにアプローチする場合にもアウトバウンド営業は有効です。
例えば、高額商品やニッチなサービスを扱う場合、ターゲットを絞り込んだ上で電話やメールで直接アプローチすることで、成約率を高めることができます。
より効果的なアプローチを行うためには、データベースや顧客管理システムを活用し、属性や購買履歴に基づいてターゲットを絞り込むようにしましょう。
新商品・サービスのローンチ時
新商品や新サービスを市場にリリースする際には、認知度の向上と新規顧客の獲得が重要になります。アウトバウンド営業は、ターゲット層に直接アプローチするため、これらの課題を解決するための強力なツールとなり、早期に売り上げを拡大させることが期待できます。
例えば、新製品発表会への招待や、無料トライアルの案内などを電話やメールで行うことで、効果的に新規顧客を獲得することができます。
BtoBビジネス
BtoBビジネスにおいては、購買を決定するまでのプロセスが複雑なため、関係構築が重要となるケースが多く見られます。その点、アウトバウンド営業は、担当者と直接コミュニケーションを取って信頼関係を築くことができるため、商談につなげる有効な手段となります。
特に、高額な製品やサービスを扱う場合、顧客との長期的な関係構築が重要となるため、アウトバウンド営業は欠かせない手法と言えるでしょう。
上記以外にも、アウトバウンド営業は様々なシーンで活用できます。自社のビジネスモデルやターゲット層などを考慮しながら、最適な方法を選択するようにしましょう。
アウトバウンド営業成功のコツ
アウトバウンド営業で成果を上げるためには、戦略的なアプローチが不可欠です。
ここでは、アウトバウンド営業を成功に導くための具体的なコツを4つのポイントに絞って解説します。
ターゲットの絞り込み
アウトバウンド営業で最も重要なのは、ターゲットを明確にすることです。誰に何を売るのか(属性やニーズ)を明確にすることで、最適なアプローチ方法や効果的な営業活動が可能になります。
例えば、BtoB企業であれば、業界、企業規模、役職、抱えている課題などを考慮してターゲットを絞り込みます。そして、そのターゲット層に合わせたメッセージを作成し、適切なチャネルで届けることでCVRの向上に繋げることができます。
簡潔に要点を押さえる
アウトバウンド営業では、相手に時間を割いてもらう必要があります。そのため、電話やメールでのアプローチは簡潔明瞭でなければなりません。
相手にメリットを伝え、興味を持ってもらうためには、要点を押さえた簡潔な説明が重要です。相手のニーズに合わせた簡潔なメッセージを心がけましょう。
簡潔な説明を心がけるポイント
ポイント | 具体的な内容 |
結論ファースト | 最初に結論を伝え、相手の時間を尊重する |
メリットを明確にする | 相手に提供できる価値を具体的に示す |
専門用語を避ける | 誰にでも理解できる言葉で説明する |
これらのポイントを意識することで、相手に伝わりやすくなり、効果的にコミュニケーションをとることができるでしょう。
例えば、電話営業では、最初の15秒で相手の興味を引くことが重要です。そのため、簡潔な自己紹介と、相手にとってのメリットを端的に伝えることを心がけましょう。
ツールの活用
アウトバウンド営業の効率化には、ツールの活用が不可欠です。MAツールなどの営業支援システムを活用することで、顧客管理や情報共有、分析などが容易になり、生産性を向上させることができます。
また、ツールを活用することで営業活動の進捗状況を可視化することができ、改善点を明確にすることも可能になります。
※MAツールに関して詳しく知りたい方は「MAツールとは?基礎知識と導入例|マーケティング施策の活用方法」をご覧ください。
インバウンド営業との併用
アウトバウンド営業は、インバウンド営業と併用することで、より効果を発揮します。コンテンツマーケティングやSEO対策などを通じて獲得した見込み顧客を育成(ナーチャリング)することで、アウトバウンド営業での成約率を高めることができます。
例えば、潜在顧客の興味関心を引き出し、リードを獲得するために、ブログやホワイトペーパーなどのコンテンツを提供するのも1つです。
インバウンド営業で獲得した見込み顧客は、既に自社に興味を持っている可能性が高いため、アウトバウンド営業でのアプローチを行うことで、成功する確率も高くなります。
このように、両者を効果的に組み合わせることで相乗効果を生み出し、より大きな成果を期待することができます。
まとめ
この記事では、アウトバウンド営業について、インバウンド営業との違いを踏まえながら解説しました。
アウトバウンド営業は、一見非効率的に思われるかもしれませんが、短期間で成果を出したい場合や、まだ市場にリリースしていない商品やサービスなどを営業したい場合などに適しており、インバウンド営業と組み合わせることで相乗効果を得られることもあります。
また、業務効率化や成果向上につなげるためには、どちらの営業手法にしてもWebツールを効果的に活用することが重要です。
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