WEBマーケティングの世界は、絶えず変化し続けています。それはLP(ランディングページ)の改善についても同様で、新たなテクニックや手法が日々生み出されています。
特にLPについては、単に「改善」することが求められるのではなく、「どのように」改善するかが重要です。そのためには、具体的な指標とその解釈が必要となります。
そこで、今回取りあげるのが「品質スコアの活用」です。Google広告の品質スコアは、LPの評価に大きく寄与する要素の一つであり、適切に活用することでLPの改善に直結します。
しかし、品質スコアを理解し、それをLP改善に活用することは簡単なことではありません。
ABテストやヒートマップツールの導入、デザイン刷新、LPの表示速度の改善、キャッチコピーの変更、購入/申し込みフォームの改善など、さまざまな手法が存在しますが、それぞれに特有の知識とスキルが求められます。
そこで、この記事では「品質スコアの活用法」を5つのステップでご紹介します。具体的には、品質スコアの基礎知識から活用法、そして、それを用いたLP改善の具体例までを解説します。
LPの改善は、単に“見た目”を良くするだけではありません。訪問者の体験とコンバージョンを向上させるための戦略的な取り組みが必要であり、その結果、パフォーマンスにも影響を与えます。
本記事を参考に「品質スコアを活用したLP改善方法」を、ぜひマスターしてください。
また、LPの制作のポイントについて知りたい方は、「LPの制作ポイントと外注するメリット・デメリット」も併せてご覧ください。
Google広告の品質スコアとは
Google広告の品質スコアは、広告主が提供する広告の質を示す重要な指標であり、スコアは1から10までの範囲で評価されます。
このスコアは、Googleがユーザーにとって最も関連性の高い広告を表示するために利用されるもので、広告のパフォーマンスに大きな影響を与えます。
品質スコアは、主に以下の3つの要素から構成されています。
- キーワードと広告の関連性:ユーザーが検索したキーワードと広告のテキストが、どれだけ関連性があるかを評価します。関連性が高いほど、品質スコアは上昇します。
- ランディングページの利便性:広告をクリックした後に表示されるLPが、ユーザーにとってどれだけ役立つか、使いやすいかを評価します。高い利便性があるほど、品質スコアは上昇します。
- 広告のクリック率(CTR):広告がクリックされる確率を示す指標で、高いCTRは広告の魅力や関連性が高いことを意味します。CTRが高いほど、品質スコアは上昇します。
品質スコアが高い広告はオークションでの広告ランクが向上し、より高い位置に表示される可能性が高まります。また、クリック単価(CPC)が低下することもあり、広告運用のコスト効率が向上します。
品質スコアは、広告運用者が広告の最適化を行う際の重要な指標となります。広告のパフォーマンスを最大限に引き出すために、キーワードと広告の関連性、広告のCTR、LPの利便性を改善する努力が求められます。これらの要素を意識して広告戦略を構築することで、より効果的な広告運用が可能となります。
品質スコアに影響する要素について
Google広告の品質スコアは、その広告がユーザーにとって、どれほど有用かを評価するための指標です。具体的には、「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」の3つの要素によって決定されます。
推定クリック率:
あなたの広告がクリックされる可能性を予測したものです。高い推定クリック率は、ユーザーがあなたの広告を魅力的で関連性が高いと感じ、それに反応する可能性が高いことを示しています。推定クリック率を高めるためには、広告のテキストが検索者の意図と一致し、魅力的であることが重要です。
広告の関連性:
広告のテキストが、ユーザーが検索したキーワードとどれだけ関連しているかを示します。広告の関連性を高めるには、広告のテキストを検索キーワードと一致させるだけでなく、ユーザーの検索意図を満たす内容にすることが重要です。
ランディングページの利便性:
ユーザーが広告をクリックした後に表示されるLPが、どれだけ使いやすく、情報が得られやすいかを評価します。LPの利便性が高いということは、ユーザーが求める情報を簡単に見つけることができ、操作が容易であることを示しています。ページのデザインや内容、ナビゲーションの使いやすさなどを考慮することが必要です。
これらの要素は、すべて広告のパフォーマンスに影響を与え、品質スコアの高低を左右します。品質スコアが高ければ、広告はより上位に表示され、クリック単価が低下する可能性があります。
逆に品質スコアが低いと広告の表示位置が下がり、クリック単価が上昇する可能性があります。
品質スコアの活用を推奨する理由
Google広告の品質スコアは、広告効果を向上させるための重要なツールであり、活用を推奨する理由は主に以下の3つによります。
- 客観性品質スコアはGoogleの公式データに基づいています。そのため、主観的な要素が入りづらく、根拠なき主観の改善策に偏ることを防ぎます。
特にLPの改善提案をする際に有効です。具体的なスコアがあるため、どの領域が改善の余地があるかが明確になり、根拠のある提案が可能になります。 - 指標品質スコアの一部である「LPの利便性」は、ユーザーの有用性を評価するものです。広告をクリックしたユーザーにとって、どれだけ有益かを評価する重要な指標です。
ユーザーの目的とLPの内容が、どれだけ一致しているかを評価するため、LPの改善における適切な評価基準となります。 - 品質スコアを改善することは、広告のパフォーマンス全体を高めることに直接寄与します。特に「LPの利便性」を改善することは、ユーザーの離脱率を減らし、コンバージョン率を向上させる効果があります。
また、「キーワードと広告の関連性」や「LPの利便性」は、広告ランクの評価要素でもあるため、品質スコアが改善されれば広告の表示順位も上昇し、より多くのユーザーに広告を見てもらう機会が増えます。
これらの理由から、品質スコアは効果的な広告運用とLPの改善に欠かせないツールといえます。
品質スコアを基にした改善方法
品質スコアを改善するための方法はいくつかありますが、以下に主要なものを挙げます。
- LP内容の関連性を高める広告をクリックしたユーザーの検索意図とLPの内容が一致していると、ユーザーの満足度も向上し、品質スコアも改善されます。
- 広告とLPの内容が一貫していれば、ユーザーは自分が求める情報を得られたと感じやすくなります。
- LPをモバイルフレンドリーに設定し、モバイルでの閲覧行為を快適にするデザインにすることが必要です。
- 表示速度やレイアウトを改善する“LPの読み込み速度や見やすさ”も、ユーザー体験に大きく影響します。表示速度を上げ、レイアウトを見やすくすることで、ユーザーはより長くページに留まります。
- 最終的には、広告をクリックしたユーザーが、目的の行動(購入や問い合わせ等)を行うことが最も重要です。そのため、CVRの改善も品質スコア向上の重要な要素となります。
以下で、それぞれ具体的に解説していきます。
検索意図とLP内容の関連性を高める
ユーザーが検索エンジンでキーワードを入力するとき、特定の情報を求めています。これが「検索意図」です。あなたのLPの内容が、その検索意図に一致しているかどうかが、Webサイトへの訪問数や離脱率だけでなく、最終的なコンバージョン率に大きく影響します。
例えば、ユーザーが「脱毛」というキーワードで検索した場合、おそらく脱毛サロンの比較や最新のキャンペーン情報を求めているでしょう。この検索意図に合致したLPを提供できれば、ユーザーは満足し、サイト内でのアクションを行いやすくなります。
逆に、「脱毛」と検索したユーザーに対して、痩身や整形の情報を提示すると、ユーザーの求めている情報とは異なります。その結果、訪問者はすぐにサイトを離れ、離脱率が上がる可能性があります。そのため、検索キーワードの設定は慎重に行う必要がありますが、必要以上に検索キーワードを設定しているケースがよく見受けられるため、気をつけましょう。
さらに、LPにユーザーが検索しやすいキーワードを取り入れることも有効な手段です。これにより、ユーザーは求める情報をすぐに見つけることができ、Webサイト上で行動が起こしやすくなります。
このように、ユーザーの検索意図とLPの内容を適切にマッチさせることで、Webサイトのパフォーマンスを最大化することができます。
広告とLPのメッセージに一貫性を持たせる
広告とLPのメッセージの一貫性は、顧客の信頼性を向上させ、広告の品質スコアを改善するために不可欠な要素です。ユーザーがクリックした広告のメッセージと、その後ページ移動したLPの内容が一致していないと、ユーザーは混乱し、サイトから離脱してしまう可能性が高まります。
例えば「夏限定!全身脱毛50%OFF!」という広告から、特にセールに関する情報が一切含まれていないLPにリダイレクトされると、ユーザーは混乱し、不信感を持つでしょう。
また、広告メッセージを一貫させるためには、リンク先をサイトトップに設定するのではなく、広告内容に直接関連する専用のLPに設定することが重要です。
また、すべての広告が同じメッセージを伝えている場合も問題です。これは、特定のキーワードで検索したユーザーの意図や需要に対応できず、一部のユーザーにしか響かない可能性があります。広告は、ユーザーがそのキーワードで何を求めているのかを理解し、それに対応したメッセージを提供すべきです。
これを達成するためには、明確なユーザー像を定義し、そのユーザーがどのような購買行動をとるかを具体的に想定することが重要です。そして、その想定に基づいて「販売ファネル」を設計し、各広告とLPがファネルのどのステージに対応しているかを明確にします。
そうすることで、広告とLPのメッセージに「一貫性」と「ストーリー性」を持たせ、ユーザーにとって理解しやすい、信頼できる情報を提供することができます。
LPをモバイルフレンドリーに設定する
スマートフォンの普及に伴い、モバイルでのWeb利用者が急増しています。モバイルでの利用者を無視することはできないため、モバイルに対応したLPを作成することが重要です。
「モバイルフレンドリー」とは、スマートフォンやタブレットなどの小さな画面でも、情報が見やすく、操作しやすい状態を指します。具体的には、文字の大きさやボタンの配置、画像の解像度などをモバイルに適した形に調整することです。
さらに、モバイルでは通信速度に制限がある場合も多いため、ページの表示速度も重要な要素となります。重い画像や不要なスクリプトを削除するなどして、ページの表示速度を上げる工夫も必要です。
Googleは、モバイルフレンドリーなページを評価し、ランキングに反映しています。モバイルフレンドリーなLPは、ユーザー体験を向上させるだけでなく、SEO対策にもつながります。品質スコアを上げるためにも、LPのモバイル対応は必須といえるでしょう。
また、Googleが提供している「モバイルフレンドリーテスト」ツールを使えば、自分のウェブサイトがモバイルフレンドリーかどうかを簡単に確認することができます。問題点が指摘された場合は、それを改善することで品質スコアの向上に繋がります。
表示速度やレイアウトを改善する
Webサイトの表示速度やレイアウトは、訪問者のユーザー体験に大きな影響を与えます。Googleのデータによれば、Webサイトの表示速度が遅いと、ユーザーの満足度が大幅に低下し、サイトからすぐに離れる(直帰率が高まる)可能性が高くなります。さらに、表示速度はSEOのランキングにも影響を与えるため、改善することが必須です。
あなたのWebサイトの表示速度は適切でしょうか?
こちらのURLから、サイトの表示速度を確認することができます。
表示速度の目安は、PCサイトではロード速度が1〜2秒、ページサイズが2MB以下。モバイルサイトでは、ロード速度が1〜2秒、ページサイズが1MB以下とされています。
表示速度が遅いと感じる場合、以下のような原因が考えられます。
- サイトに掲載している画像の容量が大きい
- CSSやJava Scriptなどのソースコードが複雑など
これらの要素を改善することで、Webサイトの表示速度を改善し、より良いユーザー体験を提供することができます。
また、レイアウトも重要です。情報が整理され、簡単に理解できるレイアウトは、ユーザーが求める情報を素速く見つけることができます。レイアウトを改善することで、訪問者のサイト内滞在時間を延ばし、CVRにつなげることが可能になります。
CVRを改善する
LP改善で一番重要なのはCVR(コンバージョン率)です。ページに流入してきたユーザーが、LPを読み進めて、コンバージョンまでスムーズに完結できる構成になっているかを確認してみましょう。
LPのCVR改善方法として、A/Bテストはとても有効的な手段です。
A/Bテストについては、こちらの記事「【初心者OK】LPのABテストとは?やり方とポイントを5分で解説」をご覧ください。
運用をプロに任せるという選択も
Webマーケティングの運用は、自社のサービスや商品に合わせた地道な作業が不可欠です。しかし、それらの作業には専門知識や多大な時間を必要とし、しばしば社内のリソースが不足してしまうことがあります。
また、社内ですべてを手がけると人件費が高騰し、最初の一歩をどこから踏み出すべきかわからないといった問題も生じます。
そのような時こそ、プロに運用を委ねるという選択肢が考えられます。
弊社「シンギ」では、自社の商品やサービスを深く理解し、最適な広告プランをご提案すると共に、Webサイトの運用、デザインコーディング、情報管理ツールの設定やサポートまで、多岐にわたるサービスを提供します。
まずは、お客様のご要望を詳細にお伺いし、そのうえで予算に応じたプランを策定します。すでに多岐にわたる企業から信頼を得ているシンギは、Webマーケティングのパートナーとして、専門的な視点から最適な解決策を提供します。
制作実績の詳細については、こちらからご覧いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
本記事では、Google広告の品質スコア「LPの利便性」を活用することにより、LPのパフォーマンスを向上させる方法について詳しく説明しました。
品質スコアの「LPの利便性」を活用することが有効な理由として、以下の3点が挙げられます。
- Googleのデータに基づいているため、客観的な評価が可能
- LPがユーザーにとって有益であるか確認することができる
- 広告効果の改善に直結しやすい
LPは継続的に改善を行うことが大切です。しかし、すべての改善作業を社内リソースだけで行うのは負担が大きい場合もあります。そのようなときは、社外の専門家に委託することも選択肢として検討してみましょう。この記事を通じて、LP改善の知見を得て、具体的なアクションに移していただければ幸いです。
ご相談・お見積り・ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。