163社のWebサイトを診断して見えてきた、業種ごとの「弱点パターン」
「うちの業種はWebに力を入れてる企業が少ないから…」
「BtoBだから、Web集客は難しいんじゃないか…」
そんな風に思っていませんか?確かに、業種によってWebマーケティングの取り組みやすさ、成果の出やすさは異なります。しかし、「業種全体の傾向」を知らずに諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。
今回、弊社では163社のWebサイトを診断し、そのデータを業種別に分析しました。すると、同じ100点満点でも、業種によってスコアの内訳が全く違うという、興味深い事実が浮かび上がってきたのです。
自社の業種がどこで点を落としているかを知ることが、Webサイト改善の第一歩。本記事では、診断データに基づき、業種別のWebサイトにおける「3大ボトルネック」を特定し、改善の方向性を示します。
全体傾向: 業種別平均スコアランキング
まずは、全体的な傾向を把握するために、業種別の平均スコアランキングを見てみましょう。
| 業種 | 件数 | 平均スコア | 技術 | SEO | コンテンツ | デザイン | 最低-最高 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ソフトウェア・SI | 15社 | 66.2 | 25.5 | 12.9 | 12.7 | 15.1 | 15-92 |
| 経営コンサルティング | 3社 | 72.3 | 29.0 | 13.7 | 10.0 | 19.7 | 64-89 |
| 保険 | 2社 | 73.0 | 30.0 | 16.0 | 10.0 | 17.0 | 59-87 |
| 広告・販促 | 6社 | 75.0 | 27.8 | 17.8 | 12.5 | 16.8 | 62-94 |
| その他サービス | 14社 | 75.9 | 26.0 | 18.9 | 13.9 | 17.1 | 2-94 |
| その他製造業 | 2社 | 79.0 | 30.0 | 17.0 | 15.0 | 17.0 | 79-79 |
| 印刷 | 3社 | 82.3 | 26.7 | 17.0 | 16.7 | 22.0 | 77-89 |
| ビル管理・オフィスサポート | 7社 | 82.6 | 28.1 | 18.3 | 17.9 | 18.3 | 77-94 |
| 情報通信・インターネット | 22社 | 82.8 | 29.0 | 20.4 | 15.0 | 18.3 | 22-97 |
| 教育・学習 | 2社 | 85.5 | 28.5 | 25.0 | 15.0 | 17.0 | 84-87 |
| 組合・団体・協会 | 2社 | 86.5 | 27.5 | 22.0 | 15.0 | 22.0 | 79-94 |
| コンサルティング | 3社 | 91.0 | 30.0 | 20.7 | 20.0 | 20.3 | 84-97 |
診断対象: 163社
意外にも、ソフトウェア・SI業界が最下位(66.2点)という結果になりました。一方で、コンサルティング業界が最高スコア(91.0点)を獲得しています。
このデータからわかるのは、「IT企業だからWebが強い」とは限らないということ。自社の強み、リソースをWebサイトに活かせているかどうかは、業種によって大きく異なるのです。
ボトルネック①: SEOスコアの低さ(全業種共通)
詳細なデータを見ていくと、多くの業種で共通するボトルネックが見つかりました。その一つが「SEOスコアの低さ」です。
SEOスコア(25点満点)の平均は、12.9〜25.0と大きくばらつきがあります。特に、ソフトウェア・SIのSEOスコアは12.9/25(約52%)と低迷しています。
また、経営コンサルティング業界も13.7/25と、SEO対策が十分ではありません。専門知識はあるのに、検索エンジンからの流入が少ない状態です。
SEOスコアが低い原因
SEOスコアが低い主な原因は、以下の3点です。
- タイトルタグの最適化不足: キーワードの選定、配置が不適切
- メタディスクリプションの最適化不足: 検索ユーザーのクリックを促す記述になっていない
- 見出し構造の最適化不足: 検索エンジンがコンテンツの内容を理解しにくい
これらの要素を改善するだけで、SEOスコアは大幅に向上する可能性があります。
ボトルネック②: コンテンツスコアの不足
次に注目すべきは、「コンテンツスコアの不足」です。
コンテンツスコア(20点満点)は、10.0〜20.0とばらつきがあります。特に、経営コンサルティング・保険業界は10.0/20(50%)と低い水準です。これは、専門知識があるのに、それをコンテンツ化できていないことを意味します。
つまり、「知識はあるのにWebで発信していない」というパターンです。
コンテンツスコアを向上させるには
コンテンツスコアは、以下の要素によって大きく変わります。
- FAQの充実度: 顧客の疑問を解消する情報がどれだけあるか
- 事例の掲載: 導入事例を通じて、自社の強みをアピールできているか
- ブログ記事の有無: 継続的に情報発信を行っているか
これらのコンテンツを充実させることで、ユーザーのエンゲージメントを高め、Webサイトの価値を向上させることができます。
ボトルネック③: デザインスコアのばらつき
最後に、「デザインスコアのばらつき」について見ていきましょう。
デザインスコア(25点満点)は、業種によって大きく異なります。ソフトウェア・SIは15.1/25(60%)と低めですが、印刷業界は22.0/25(88%)と高いスコアを獲得しています。
これは、ソフトウェア・SI業界が機能重視でUX(ユーザーエクスペリエンス)が後回しになっている一方、ビジュアルに強い印刷業界は、デザインに力を入れていることを示唆しています。
デザインスコアに影響する要素
デザインスコアに影響を与える主な要素は、以下の通りです。
- モバイル対応: スマートフォンでの表示に最適化されているか
- 表示速度: Webサイトの表示速度は、ユーザー体験に大きく影響する
これらの要素を改善することで、デザインスコアを向上させ、ユーザーの満足度を高めることができます。
業種別の改善優先順位
上記の分析結果を踏まえ、業種別の改善優先順位をまとめました。
- ソフトウェア・SI: SEO→コンテンツ→デザインの順
- コンサルティング: コンテンツ→SEO(知識をWebに載せるだけで大幅改善)
- 広告・販促: SEO→コンテンツ(自社のマーケティングが後回しパターン)
- 製造・ビル管理: コンテンツ→デザイン(技術力の可視化)
自社の業種に合わせた優先順位で改善を進めることで、効率的にWebサイトのパフォーマンスを向上させることができます。
まとめ
「うちの業種はWebが弱い」というのは、ただの思い込みかもしれません。
今回ご紹介したデータを見ていただければ、改善すべき領域は明確です。まずは、自社のWebサイトの現状を把握し、データに基づいた改善計画を立てましょう。
Webサイトの改善は、BtoBビジネスの成長に不可欠な要素です。この機会に、Webサイトの戦略を見直し、新たな顧客獲得、売上向上を目指してみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q. 自社の業種が一覧にない場合はどうすれば?
本記事のデータは163社の統計ですが、業種を問わず無料サイト診断で個別のスコアを確認できます。技術・SEO・コンテンツ・デザインの4軸で評価されるため、業種に関係なく改善ポイントが明確になります。
Q. スコアが低い場合、何から改善すればいいですか?
基本原則は「コンバージョンに近い箇所」から改善することです。SEOスコアが低い場合はタイトル・メタディスクリプションの最適化、コンテンツスコアが低い場合はFAQやブログ記事の追加が効果的です。詳しくは「Webサイト改善はどこから?投資効果の順番トップ5」の記事もご覧ください。
Q. 163社のデータは信頼できますか?
実際にWebサイト診断ツールで計測した実データです。GA4・Google Search Console・PageSpeed Insightsなどの公開データを統合して自動スコアリングしています。個別企業名は匿名化し、業種別の統計値として公開しています。