Webサイトを通じて商品やサービスの問い合わせ、資料請求、申し込みなどのアクションを促す上で、フォームは欠かせない要素です。にもかかわらず、多くのユーザーがその入力途中で離脱してしまい、機会損失が生じているのが現状です。
そこで注目されているのが「EFO(入力フォーム最適化)対策」です。
本記事では、EFOの基本からその効果、実際に成果につながる改善方法までを現場でWeb集客を担うプロの視点を交えて詳しく解説していきます。
※Webサイトの第一印象を左右する「ファーストビュー」についての詳細は「ファーストビューとは?集客に効くデザインとLPの秘訣を徹底解説」をご覧ください。
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EFO対策とは?
EFO(入力フォーム最適化)とは、入力フォームをユーザーにとって使いやすく、わかりやすく設計・改善する取り組みのことを指します。単なるUIの調整に留まらず、UX全体の向上を目的とした施策である点が重要です。
Webサイトにおけるコンバージョンの最終ステップであるフォームは、ユーザーのアクションを完了させるための「最後の関門」とも言えます。このハードルが高ければ高いほど、途中で脱落してしまうユーザーが増えるため、EFOは極めて戦略的な意味を持ちます。
例えば、「フォームの入力項目が多すぎる」「エラーメッセージが分かりづらい」「スマートフォンでは操作しにくい」といった問題は、ユーザー体験を大きく損ないます。
EFOでは、こうした課題を一つひとつ見直し、入力完了率の向上を目指します。その結果、広告やSEOで集めた訪問者を確実に見込み顧客へと変えることが期待できます。
業務でWebマーケティングやサイト改善に関わっている方なら、日々のレポートやCV率の動向から「なぜ途中で離脱されるのか」に悩むことがあるでしょう。EFOはまさにその疑問に対する答えを提供してくれる手法であり、改善施策として確かな効果が期待できます。
ここ数年では、ユーザーの可処分時間が減少し、ストレスに敏感になってきているため、EFOの重要性は年々高まっています。
フォーム最適化がWeb集客に与える影響
EFOによるフォーム改善は、単なる操作性の向上にとどまらず、Web集客全体の成果に直結する要素です。なぜなら、どれだけ広告に費用をかけて多くの訪問者を集めたとしても、フォームで離脱されてしまってはコンバージョンには至らないからです。
つまり、フォームは集客施策の「出口」であり、ここがボトルネックになっていると、全体のROI(投資対効果)が著しく低下します。
実務の現場では、フォーム改善を行うことでCV率が2倍以上に跳ね上がった事例も珍しくありません。
たとえば、あるBtoBサービスのサイトでは、入力項目を10項目から6項目に減らしただけで、問い合わせ件数が約1.8倍に増加しました。
その結果、広告費を増やすことなく有効リードを増やすことができ、マーケティング施策全体のコスト効率が改善されました。
また、EFOによって得られる利点は定量的な成果だけにとどまりません。ユーザーのストレスを軽減し、企業に対する印象を良好に保つというブランディング的な側面も見逃せません。特に競合他社との比較検討が激しい業界では、「使いやすい」「わかりやすい」という体験そのものが、顧客の最終判断に影響を与えることも多いのです。
入力フォームでユーザーが離脱する主な原因

フォームからユーザーが離脱する原因には複数の要素が絡み合っていますが、最も大きな理由は「手間がかかる」と感じることにあります。
具体的には、入力項目が多すぎる、必須項目が多く柔軟性がない、入力ミス時のエラー表示が不親切、スマートフォンでの操作性が悪いといった点が挙げられます。
近年では、スマートフォンでのアクセスが主流となっており、PCでの設計を前提にしたフォームは非常に使いづらく感じられてしまいます。例えば、複数ページにまたがるステップフォームや、住所入力で郵便番号からの自動補完がない設計などは、ユーザーにとって大きなストレスとなります。
また、心理的ハードルも見逃せません。たとえば、個人情報の入力に対して不安を感じるユーザーも少なくありません。特に「電話番号」が必須であることに抵抗を感じる人は多く、これが離脱要因となることもあります。
こうした情報の取得においては、フォーム上での説明やプライバシーポリシーの明記など、信頼性の担保が重要となります。
さらに、エラー表示がわかりづらい、もしくはエラー箇所がハイライトされずにどこで間違えたのかわからないケースも、ストレスの原因となり離脱を招きます。
特にEFOの観点からは、リアルタイムバリデーション(入力中にエラーを通知する機能)の導入が推奨されており、ユーザーの入力体験を大きく向上させる要素であると考えられています。
成果につながるEFO対策の基本施策
EFOを効果的に進めるためには、まず現状のフォームにおける課題を可視化することが重要です。Google Analyticsやヒートマップツールを活用し、どの入力項目で離脱が多いのか、どの画面サイズで操作が困難なのかといった具体的なデータを取得します。
ここから導き出される改善点に対し、ユーザー視点で一つひとつ対応していくことが基本施策の第一歩となります。
次に、入力項目の見直しです。「本当に必要な情報なのか」「後からでも取得できる情報ではないか」を判断し、必要最低限の項目に絞り込むことが重要です。加えて、入力補助機能の導入も大きな効果を発揮します。
例えば、郵便番号からの住所自動入力、カレンダー形式の日時選択、リアルタイムでのエラーチェックといった機能は、ユーザーの手間を大きく削減します。
また、フォームのステップ数や構成についても最適化が求められます。1ページで全ての情報を入力させるより、2〜3ステップに分けることで心理的負担を軽減できる場合もあります。
この場合、ステップごとに進行状況を示すインジケーターを設けることで、ユーザーに安心感を与えることができます。
施策項目 | 具体的な効果 | 導入の難易度 |
入力項目の削減 | フォーム完了率の向上 | 低 |
リアルタイムバリデーション | エラー離脱の防止 | 中 |
スマホ対応UIの改善 | モバイルユーザビリティ向上 | 中〜高 |
入力補助機能(住所自動入力など) | 入力時間の短縮 | 中 |
専門家が実践するフォーム改善のポイント
実務の現場では、ユーザーの行動データを細かく分析し、仮説検証を繰り返しながら改善を進めていきます。
例えば、コンバージョンに至ったユーザーと離脱したユーザーの行動を比較することで、どの項目がネックになっているかを特定します。また、A/Bテストを通じて文言の変更やボタン配置の違いがCV率に与える影響を測定することも一般的です。
さらに、専門家たちはユーザーの視線やマウスの動きを可視化するツールを活用し、フォーム内での迷いポイントを洗い出します。こうした微細な分析が、「なぜここで止まってしまうのか」という問いに対する答えを導き出してくれます。
そしてその答えに基づき、UIの設計だけでなく、ラベルの表記やプレースホルダーの文言まで細かく見直すことがポイントになります。
プロフェッショナルの手による改善は、単なる表層的な修正ではなく、ユーザーの心理や行動パターンを捉えた上での設計に基づいています。特に信頼感を高めるために、SSLの表示や企業情報の明示、フォーム下部に設ける「よくある質問」なども、間接的にEFOとして機能しています。
このような工夫の積み重ねが、最終的に成果を生み出すフォームへと進化させていくのです。
コンバージョン率が向上したEFO成功事例
実際の改善で成果を出したフォーム事例
ある中小企業のコーポレートサイトでは、資料請求フォームの離脱率が高く、Webからの問い合わせがなかなか増えないという課題を抱えていました。入力項目が10個以上と多く、必須項目の記載ミスによるエラー表示も多発していたのです。
そこでフォームの構成を抜本的に見直し、ステップ形式に分割することでユーザーの心理的負担を軽減しました。また、リアルタイムでエラー箇所を指摘するインラインバリデーションを導入し、エラー修正の手間を最小限に抑える工夫を施しました。
その結果、フォームの完了率は約32%から58%へと大幅に向上し、コンバージョン数も2倍以上に増加したのです。中でもスマートフォンからの完了率が改善されたことから、EFOのモバイル対応がいかに重要であるかを再認識させられる事例となりました。
ターゲットごとの入力体験を最適化
また、BtoB向けにサービスを提供するSaaS企業では、導入相談フォームの入力中に離脱するユーザーが多いという課題が浮き彫りになっていました。そこで行ったのが、ユーザー属性に合わせた動的フォームの導入です。
たとえば業種を選ぶことで、次に表示される質問が最適化されるような仕組みを取り入れました。その結果、ユーザーにとって無関係な質問を避け、関心の高い内容に絞った入力体験が提供できるようになったのです。
この施策によって、フォーム完了までの平均所要時間が約40%短縮され、コンバージョン率も従来比で約1.6倍に改善されました。この改善により、ユーザー視点での設計と動的な表示制御が、成果に直結する好例となりました。
効率的にEFOを進めるためのおすすめツール
EFO専用ツールの活用が生産性を高める
効率的なフォーム最適化を進めるうえで、EFOに特化したツールの導入は非常に効果的です。たとえば「EFO CUBE」や「formrun」などのツールは、HTMLやJavaScriptに詳しくない担当者でも直感的にフォーム最適化ができるため、社内のリソースを圧迫せずに改善を進めることができるようになります。
リアルタイムバリデーションや離脱ポイントの解析、A/Bテスト機能などが一体となっており、短期間で成果に結びつけたい場合には重宝します。
また、Googleタグマネージャーと連携することで、行動解析ツールと連動してフォームのパフォーマンスを可視化することも容易になるため、施策の効果測定がスピーディーに行えるだけでなく、次の改善アクションの判断材料にもなります。
主要EFOツールの比較表
ツール名 | 主な機能 | 導入の手軽さ | 価格帯(月額) |
EFO CUBE | 入力補助・エラー表示・離脱分析 | 中 | 10,000円〜 |
formrun | フォーム作成・CRM連携・通知設定 | 高 | 無料〜5,000円 |
KARTE Form | ユーザー行動分析・パーソナライズ表示 | 低 | 要問い合わせ |
業種や運用体制、予算に応じて最適なツールを選定することが、EFOの成功に直結します。中長期的な運用を見据える場合は、レポート機能やABテスト機能の充実度にも注目すると良いでしょう。
スマホ対応フォームにおける最適化の注意点
タップ操作と視認性の最適化が鍵
スマートフォンユーザーを意識したフォーム設計では、入力操作のしやすさと情報の視認性が特に重要になります。たとえば、入力欄のサイズが小さいと誤タップの原因となり、入力ミスが増えてしまいます。
その結果、エラー表示が頻発し、ユーザーの離脱につながる恐れがあります。指一本で快適に操作できるUI設計を意識し、各入力欄には十分なマージンとタップ領域を確保することが求められます。
また、スマホでは一度に表示できる情報量が限られているため、フォーム項目が多い場合はアコーディオン形式やステップ分割形式を活用すると良いでしょう。
そうすることで、ユーザーは現在どの段階にいるのかを把握しやすく、入力に対する心理的なハードルも下がります。さらに、プレースホルダーのみで入力内容を案内するのではなく、ラベル表示を常設することで、入力途中でも内容がわかりやすくなります。
入力支援機能の導入で完了率を高める
スマートフォンのキーボードは用途に応じて最適なものを表示させることで、入力効率を大きく高めることができます。
たとえば、電話番号欄では数字キーボード、メールアドレス欄では「@」や「.com」などが入力しやすいキーボードを設定することが基本です。
こうした細やかな配慮が、ユーザーのストレスを軽減し、最終的な完了率の向上に繋がります。
加えて、スマホユーザー特有の離脱ポイントを事前に想定し、入力途中でも保存できる機能や、後から再開できる仕組みを取り入れることで、途中離脱を防ぐ工夫も求められます。
EFOでは、ユーザーの利用環境を深く理解した上での設計が成果を左右するのです。
フォーム改善の効果を測定するための指標とは
改善効果を可視化する定量指標
フォーム最適化の成果を正確に把握するためには、いくつかの定量的な指標を継続的にモニタリングすることが重要です。
代表的なものには、フォーム完了率(フォームにアクセスしたユーザーのうち送信完了した割合)、入力完了までの平均時間、エラー発生率、特定項目での離脱率などが挙げられます。
これらはGoogleアナリティクスやEFOツールの分析機能を活用することで、定期的に取得・可視化することができます。
特に注視すべきは、離脱率が高い項目の特定です。
たとえば「電話番号」や「会社名」など、入力をためらいやすい項目で離脱が集中している場合は、必須項目の見直しや説明文の追加など、具体的な改善施策を検討する必要があります。
実際に、特定項目のラベルを変更しただけで完了率が改善されたケースも多く、言葉選び一つが成果に影響することを示しています。
定性的なフィードバックも欠かせない
数値データだけでなく、実際にフォームを利用したユーザーからのフィードバックも重要なヒントになります。
たとえば、「入力中に戻るボタンを押すと全て消えてしまった」「どの項目がエラーなのかわかりにくい」といった意見は、現場のユーザー体験を如実に反映しています。
これらの声を集めるためには、フォーム完了後のアンケート設置や、カスタマーサポートとの連携が有効です。
「定量と定性」の両面からの評価を組み合わせることで、真にユーザーに寄り添ったEFO運用が可能となります。単に数字を追うだけでなく、その背後にあるユーザーの行動心理を読み解く姿勢が、成果を持続的に伸ばす鍵を握っているのです。
継続的な改善で成果を伸ばすEFO運用の考え方
一度の改善で満足せず、PDCAを回し続ける
フォーム最適化は、一度手を加えれば終わりというものではありません。ユーザーの行動は常に変化しており、競合環境やデバイスの進化、情報感度の変化によっても影響を受けます。
そのため、EFOは継続的な改善と検証が欠かせません。定期的にデータを確認し、仮説を立てて施策を実行し、結果を分析して次の改善に繋げていく。まさにPDCAサイクルを意識した運用が成果を伸ばす鍵になります。
たとえば、季節やキャンペーン内容によって入力項目の傾向が変わるようなケースでは、フォームの文言や構成も柔軟に調整する必要があります。
また、ABテストを継続的に実施することで、どの改善案がより効果的かをリアルな数値で判断できます。小さな変化の積み重ねが、大きな成果に繋がるのがEFOの奥深さであり、醍醐味でもあります。
チームでのEFO共有体制を整える
さらに、EFOを成功に導くためには、担当者個人の努力だけでなく、チームとしての情報共有と意思統一も重要です。
たとえば、フォームの改善履歴やABテストの結果を定例会議で共有することで、ナレッジが蓄積され、次の施策に活かしやすくなります。特にマーケティング部門とWeb制作部門が連携することで、よりユーザー視点に立った改善が可能になるでしょう。
EFOは単なる技術的な改善にとどまらず、ユーザーとの信頼関係を築くための重要な接点です。その意識をチーム全体で共有することで、より強固なオンライン接客体制が構築され、Web集客の成果へとつながっていくのです。
まとめ | EFO改善もシンギへお任せください!
東京・武蔵野市を拠点とするWeb制作・Webマーケティング会社シンギでは、お客様の「問い合わせを増やしてほしい」というニーズに応えるべく、Web制作とWebマーケティングの両軸の視点から制作と運用を行なっております。
シンギでは少しでも多くチャレンジしたい方の力になりたいという想いから「定額Web制作サービス(15,000円〜)」をスタートいたしました。
このサービスは、Web制作に精通したディレクターと専任のWebデザイナーがヒアリングを元に、定額でWeb制作を行うものです。質の高いWeb制作サービスを提供することで、お客様のビジネスが最大の効果を発揮できるよう、パートナーとなって伴走いたします。
EFOの改善や効果的な提案はもちろん、「できるだけ早く制作してほしい」「コストを抑えつつもデザインにこだわりたい」「SEO対策もしてほしい」などのWeb制作によくあるお悩みにもお応えいたします。
ご相談・ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。