フレームワークとは?ビジネスの戦略立案に使える目的別5選

2025.03.27

  • Webマーケティング
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    ビジネスで成果を上げるには、課題を明確化し、適切な解決策を見つけることが欠かせません。しかし、闇雲に取り組んでも当然ながら、期待する効果を出すことは難しいですよね。

    そこで、活用したいのが「フレームワーク」です。フレームワークを活用すれば、複雑な問題を整理し、論理的に解決策を導き出すことができます。

    この記事では、フレームワークの基礎知識から様々なビジネスシーンで役立つ具体的なフレームワークとその活用方法まで、目的別に分かりやすく解説します。

    フレームワークとは

    フレームワークとは、ビジネスにおける意思決定や問題解決を効率的に行うための「思考の枠組み」を指します。何かを決める際に、あれこれ悩むよりも適切なフレームワークを用いることで思考が整理され、多角的な視点を得ることができます。さらに、時間短縮やチーム内の情報共有の円滑化にもつながるため、経営戦略や業務改善などに活用されています。

    フレームワークの重要性

    フレームワークは、複雑な問題を整理・分析し、解決策を導き出すための「成功へのルートを示す地図」のような役割を果たします。フレームワークを使わずに問題解決に取り組むことは、地図を持たずに目的地を目指すようなものです。進むべき方向を示し、迷わずにビジネスの目標達成へと導く重要な手段となるため、活用しない手はありません。

    フレームワークのメリット・デメリット

    ビジネスの課題解決にフレームワークを活用することは、多くのメリットをもたらしますが、同時にデメリットも存在します。メリット・デメリットの両方を理解し、状況に応じて課題を解決していきましょう。

    メリット

    フレームワークを導入することで得られる主なメリットは以下の通りです。

    メリット説明
    効率的な思考整理フレームワークは思考の道筋を整理し、抜け漏れを防ぎます。複雑な問題も構造的に捉えることで、効率的に分析・解決策を立案することができます。
    共通認識の形成チーム内で共通のフレームワークを用いることで、認識のズレを防ぎ、スムーズにコミュニケーションがとれるようになります。議論の土台を共有することで、生産的かつ効率的な議論ができるようになります。
    客観的な分析主観的な判断に陥りがちな状況の際に、客観的な視点が取り入れやすくなります。多角的な視点から分析することで、より精度の高い意思決定に繋がります。
    再現性の向上成功事例をフレームワーク化することで成功要因を分析し、他のプロジェクトにも応用することができます。再現性を高めることで、成功確率の向上に役立ちます。
    学習コストの削減先人たちの知恵や経験が体系化されたフレームワークを学ぶことで、効率的にビジネススキルを習得し、試行錯誤する時間を減らすことができます。

    このように、フレームワークは、思考の整理術ビジネススキルの向上に役立ちます。

    デメリット

    一方で、以下のようなデメリットも存在します。

    デメリット説明
    柔軟性の欠如フレームワークは、特定の状況に合わせて作られているため、すべての状況に適用できるわけではありません。状況によっては、柔軟に対応できない場合があります。
    表面的な理解フレームワークを形式的に適用するだけでは、本質的な理解に繋がらず、効果的に活用することはできません。フレームワークの背後にある考え方や原理を理解することが重要です。
    過度な依存フレームワークに過度に依存してしまうと、独自の思考力が低下する可能性があります。フレームワークはあくまでもツールであり、思考停止に陥らないよう注意が必要です。

    デメリットを克服するためのポイント

    フレームワークを効果的に活用するためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

    • フレームワークの目的と限界を理解する
    • 状況に合わせて柔軟に適用する
    • 本当に適切なのか常に疑問を持つ
    • 複数のフレームワークを組み合わせて使う

    これらのポイントを踏まえ、ビジネスの課題解決に繋げていきましょう。

    【目的別】フレームワークの活用法5選

    ビジネスシーンにおいて、適切なフレームワークを活用することは、課題解決や目標達成への近道となります。目的別に最適なフレームワークを選ぶことで、より効率的に成果を上げることができます。
    ここでは、「思考整理」「現状理解」「顧客理解」「目標設定」改善の5つの目的に分けて、おすすめのフレームワークと活用方法をご紹介します。

    【思考整理】のフレームワーク分析

    複雑な問題や情報を整理し、論理的に考える際に役立つフレームワークです。思考の漏れを防ぎ、的確な判断を下すためのサポートとなります。

    大きな問題を小さな要素に分解し、ツリー状に構造化することで、問題の本質を捉えやすくします。原因の特定や解決策の立案に効果的です。
    要素を分解する際に迷った時は、「〜かもしれない」と仮説を立てることで、新たな要素に気づいて書き出せるようになります。また、「ロジックツリーを作成したら終わり」ではなく、「今すぐできる行動」まで分解して実践することが大切です。

    MESE(ミーシー)は「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った略称で、要素を漏れなく、ダブりなく分類するための思考法です。
    マーケティングや情報整理、戦略を立案する際など、ビジネスの全体像を把握する際に役立ちます。

    【現状理解】のフレームワーク分析

    自社を取り巻く環境や市場を分析し、現状を客観的に把握するためのフレームワークです。現状を正しく理解することで、適切な戦略を立てることができるようになります。

    3C分析は、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点から現状を分析するフレームワークです。自社の強み・弱み、市場機会・脅威を明確にすることで、効果的な戦略の立案に繋げることができます。

    AB3C分析

    3C分析に優位点(Advantage)と価値(Benefit)の視点を加えた応用フレームワークがAB3C分析です。「顧客から選ばれる理由」を見出すためのマーケティング戦略を策定する際に役立ちます。

    政治、経済、社会、技術の4つの視点からマクロ環境を分析します。外部環境の変化がビジネスに及ぼす影響を予測し、リスク回避や機会特定に用いられます。

    【顧客理解】のフレームワーク分析

    顧客の行動や心理を理解するためのフレームワークです。顧客ニーズを的確に捉え、効果的なマーケティング戦略を立案する上で重要となります。

    共有の一連の流れを示した、デジタルマーケティングにおける顧客の行動モデルです。

    ・Attention(注意)

    ・Interest(関心)

    ・Search(検索)

    ・Action(行動)

    ・Share(共有)

    昭和〜平成初期はAIDMA(Attention 注意、Interest 関心、Desire 欲求、Memory 記憶、 Action 行動)が主流でしたが、インターネットの普及により、AISASへ変化しました。

    ソーシャルメディア時代に適した消費者の購買プロセスのことで、消費者自身が情報を拡散する点が特徴です。共感を起点に信頼が高まり、より多くの人に影響を与えるため、SNS時代のマーケティング戦略として重要視されています。

    【目標設定】のフレームワーク分析

    明確に達成可能な目標を設定するためのフレームワークです。目標を適切に設定することで、モチベーションの向上や成果の最大化させることに繋がります。

    以下の5つの要素を含んだ、明確な「目標設定」に欠かせないフレームワークです。

    ・Specific(具体的)

    ・Measurable(測定可能)

    ・Achievable(達成可能)

    ・Relevant(関連性)

    ・Time-bound(期限)

    例えば、「売上目標◯◯円」など、具体的に書かれているか、達成度合いなど測れる目標になっているか、達成可能な現実的な内容になっているか、会社の方針と乖離がないかを意識して作成しましょう。

    目標を達成するために、企業の目標と社員個人の目標を擦り合わせる方法です。企業全体が同じ方向に進むために、目標設定・進捗確認・評価を頻繁に行います。OKRの特徴は、高い目標を設定し、達成率が60〜70%程度となることが理想とされ、モチベーションの向上を図る点にあります。

    【改善】のフレームワーク分析

    業務プロセスやサービスを継続的に改善するためのフレームワークです。問題点を特定し、改善策を実行することで、より良い成果を生み出すことができます。

    以下の4つの視点から、自社の内部環境と外部環境の分析・戦略の立案に役立てます。機会を捉え、脅威を回避することで競争優位性を築くことができます。

    ・Strengths(強み)

    ・Weaknesses(弱み)

    ・Opportunities(機会)

    ・Threats(脅威)

    【SWOT分析の手順】

    1. 情報収集
      企業や市場のデータを集め、自社の内部環境・外部環境を明確にする。
    2. 4つの要素を整理
      SWOTの4項目(強み・弱み・機会・脅威)を分類してリストアップする。
    3. クロスSWOT分析を行う(戦略立案)
      4つの要素を組み合わせて具体的な戦略を立てる。

    クロスSWOT分析(TOWSマトリックス)とは

    クロスSWOT分析とは、SWOT分析で洗い出した4つの項目を掛け合わせて具体的な戦略を導き出す手法です。通常のSWOT分析よりも実践的な戦略策定に活かしやすいのが特徴です。
    具体的には、以下のような「クロスSWOT分析」を行います。

    戦略の種類説明
    SO戦略(強み × 機会)自社の強みを活かして、市場の機会を最大限に活用する戦略
    WO戦略(弱み × 機会)弱みを克服しながら、市場の機会を活かす戦略
    ST戦略(強み × 脅威)強みを活かして、外部の脅威に対応する戦略
    WT戦略(弱み × 脅威)弱みを最小限に抑えながら、脅威を回避する戦略

    Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのステップを繰り返し、継続的な改善を行うためのサイクルです。業務プロセスを改善し、効率化を図る上で広く活用されています。

    ※PDCAサイクルの詳細は「PDCAサイクルとOODAループの違いとは?事例と活用方法を解説!」をご覧ください。

    フレームワークの注意点3つ

    フレームワークは、課題解決や戦略立案に役立つツールですが、いくつかの注意点があります。フレームワークを効果的に活用するための主要なポイントを紹介します。

    1. 目的に合ったフレームワークを選ぶ

    フレームワークには多くの種類があり、それぞれ適した用途があります。目的に合わないフレームワークを使用すると、的外れな結論になったり混乱を招いたりする可能性があります。「何のために使うのか」を明確にしてから適切なフレームワークを選択するようにしましょう。

    例:マーケティング戦略 →「3C分析」
    事業環境の分析 →「SWOT分析」「PEST分析」など

    2. 客観的に分析する

    フレームワークを使う際は、主観を排除し、データに基づいた冷静な判断 をすることが大切です。主観的な判断をしてしまうことで、せっかくのフレームワークが意味のないものになってしまいます。そのため、できるだけ客観的なデータを使うようにしましょう。

    ・自社の強み・弱みを過大評価しない

    ・事実に基づいた情報を集める

    ・多角的な視点を取り入れる(異なる立場の意見を聞く)

    3. 実行可能な戦略に落とし込む

    フレームワークは、分析するだけでは意味がありません。 具体的なアクションプランに落とし込むことが重要です。フレームワークの結果を振り返り、改善を重ねることが成功への鍵です。

    ・実際の行動につなげる

    ・計画を実行し、結果を検証する

    ・必要に応じて戦略を見直す

    まとめ

    この記事では、ビジネスにおける課題解決に役立つフレームワークを、目的別に紹介しました。フレームワークを適切に活用することで、ビジネスの課題を効率的に解決し、成果を最大化することができます。この記事を参考に、早速実践してみましょう!

    吉祥寺のWeb制作・Webマーケティング会社「シンギ」では、これまで様々な業種のWeb制作やWebマーケティング、運用を行なってきました。

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